【7月29日 東方新報】7月8日から9日にかけて、第8回枸杞(クコの実)産業博覧会が寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region%)中衛市(Zhongwei)中寧県で開催された。「90後(90年代生まれ)」の陳鑫鑫(Chen Xinxin)さんは、寧夏の銀川市(Yinchuan)から中寧県へ足を運び、枸杞の新商品をまとめて購入する「調達計画」を始めた。

クコの実レモンティーやクコの実アイスクリームを試飲したあと、陳さんはクコの実チョコレートやクコの実原液もたくさん買い込み、職場の同僚たちと分け合うつもりだという。「今は私だけじゃなくて、同僚たちも中医学(中国伝統医学)の健康法を勉強してる」と話す。

彼女によると、ふだんの仕事はストレスが多く、気力や体力が落ちて疲れが抜けないこともあるため、「時間ができたら、体を整えるようにしている」という。薬効のある寧夏産のクコの実は、健康維持の「第一候補」だ。

従来の生の実や乾燥実よりも、クコの実の新商品は若い世代に人気がある。博覧会の展示エリアでは、新商品コーナーに若者の姿が多く見られた。

90後の馮煜恒(Feng Yuheng)さんは、ルテイン入りのクコの実炭酸飲料を特に気に入ったという。「いまは健康のために手間をかけることをいとわないけど、『体にいい』だけじゃなく、『おいしい』ことも大事なポイント」と話す。この飲みやすいクコの実炭酸飲料は、自分の好みの甘さにぴったりだったという。

「最近の若者はドラマを見たりゲームをしたり、夜更かしや残業も多くて、目が疲れやすい」と、この飲料を開発した企業のマーケティングディレクター・程勇(Cheng Yong)氏は語る。若者の健康ニーズに合わせて、目にやさしい成分を加え、飲みやすく炭酸飲料の形で商品化したという。「若い世代の好みに合わせた」とも説明した。

「2024年 薬食同源トレンドレポート」によれば、健康を意識する人の年齢層が若年化しており、ネット上でも「薬食同源(食材と薬は本来同じ)」に関する話題が注目されている。16歳から35歳の世代がその35.9%を占めるという。

こうした若者の健康志向や消費トレンドに応じて、多様なクコの実商品が登場している。「今どきの若者は、ただ『体にいいものを食べる』だけでは満足せず、『体の中と外、両方からケアする』ことを求めている」と、あるクコの実関連商品の製造会社の営業マネージャー・厳珍珍(Yan Zenzen)氏は話す。同社が昨年発売した枸杞フェイスマスクやリップスティックは、年間売上が100万元(約2037万7300円)に達したという。「クコの実エキスを配合し、若い女性向けに2色展開のリップグロスも販売している」と語った。

長年の取り組みのなかで、寧夏のクコの実産業は研究開発や加工技術の面で業界をリードする存在となっている。データによれば、中国国内で売られているクコの実の新商品の9割以上が、寧夏で研究・生産されている。

9日に行われた新商品発表会では、30種類以上の枸杞商品が発表され、「健康志向」「低カロリー・低糖分」「若者向け」が、枸杞ソフトキャンディーやエナジーバー、プロバイオティクス飲料、アイスクリームなど、いずれの製品にも共通するテーマだった。

「薬食同源の寧夏枸杞は、多糖類やゼアキサンチン、フェニルアミンなど、目的に応じた成分を多く含んでおり、製品の多様化を可能にしている。健康関連市場のさまざまなニーズに応えられる」と、寧夏農林科学院・枸杞研究所の副所長・閆亜美(Yan Yamei)氏は話す。「健康」はもはや中高年だけのテーマではなく、若い世代からも注目されており、クコの実商品の消費市場でも若者が新たな主役になりつつあるという。(c)東方新報/AFPBB News