仏大統領夫人の性別めぐる虚偽情報拡散、女2人が逆転無罪に
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【7月11日 AFP】エマニュエル・マクロン大統領の妻ブリジット氏(72)がトランスジェンダー女性だとの虚偽の情報をインターネットで拡散させたとして、女2人が名誉毀損(きそん)の罪に問われた裁判の控訴審で、フランスの裁判所は10日、一審の有罪判決を覆し、無罪を言い渡した。
ブリジット氏の性別に関する偽情報は長年にわたり、ソーシャルメディア上で拡散されている。また、マクロン大統領との24歳という年齢差についても攻撃されている。
ブリジット氏の結婚前の旧姓はトロニューで、ジャンミシェルという兄がいる。
自称霊媒師のアマンディーヌ・ロイ被告と自称独立系記者のナターシャ・レイ被告は2021年12月、ユーチューブに投稿した動画でブリジット氏がかつて男性でジャンミシェルという名前だったと主張。ブリジット氏は名誉毀損で告訴していた。
動画の中で、ロイ被告は4時間にレイ被告のインタビューを受けた。レイ被告は、自身が明らかにしたと主張する「国家によるうそ」と「詐欺」について語った。ジャンミシェル・トロニューという人物が性別移行してブリジット・トロニューとなり、その後マクロン大統領と結婚したという内容だ。
2人は、ブリジット氏が受けたとされる手術について話し合い、ブリジット氏の兄の個人情報を暴露した。
この主張は拡散され、最近では米国の陰謀論者の間でも話題になっている。
昨年9月、一審はロイ被告とレイ被告に対し、損害賠償としてブリジット氏に8000ユーロ(約137万円)、ジャンミシェル氏に5000ユーロ(約86万円)を支払うよう命じた。
だが、パリ控訴院は10日、「未成年者に対するグルーミング」という虚偽の主張を含め、2人の過ちは「善意(ある事実を知らない状態)」で犯されたとして、無罪を言い渡した。2人は今後、損害賠償を支払う必要はない。
裁判所はそれ以上の説明はしなかった。
米国のミシェル・オバマ元大統領夫人や、カマラ・ハリス前副大統領、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン元首相も、性別やセクシュアリティーに関する偽情報の標的となっている。(c)AFP