【7月11日 AFP】ベルギー政府の諮問機関である中央経済審議会は、同国は中国から「津波」のように押し寄せる小包の洪水で溺れそうになっていると警告した。欧州連合(EU)は、中国からの小包の流入抑制に苦慮している。

ベルギーに到着する低額商品の小包は昨年、3倍に増加し、1日300万個に達した。

AFPが10日に閲覧した報告書の中で、同審議会は「これは爆発的な増加であり、これらの小包は主に中国から発送されている」「この小包の津波はわが国を水没させている。税関などの有能な検査機関が現在利用できるリソースでは、適切に制御できない」と述べた。

同審議会はベルギー当局に対し、税関を強化するとともに、小包の流入抑制を支援する措置を迅速に講じるようEU諸国に圧力をかけることを求めた。

ベルギーはEUの主要な玄関口となっており、EUへの小包は巨大なアントワープ港や航空貨物ハブであるリエージュを経由している。

EUは5月、毎年域内に流入する数十億個もの低額商品の小包(大半は中国から)に対し、一律2ユーロ(約340円)の課税を準備していると発表した。

EU執行部は、電子商取引プラットフォームは小包1個ごとに課税されることになると述べた。

昨年、EU域内に流入した低額商品の小包は46億個に上り、1秒あたり145個を超える。その91%は中国から発送されたものだった。EUは今後も増加すると予想している。

EUは、中国の衣料通販大手SHEIN(シーイン)やインターネット通販大手Temu(テム)などが、欧州基準を満たさない商品の販売防止策を十分に講じていないのではないかと疑っている。また、域内27か国に輸入される商品の多くが安全ではい偽造品であり、消費者にとって危険である可能性もあると懸念している。(c)AFP