【7月6日 AFP】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は6日、90歳の誕生日を迎えた。

中国が、チベットの精神的指導者の後継について最終的な決定権を持つと主張する中、自らを「ただの仏教僧」と称したダライ・ラマは、平和を祈ることで誕生日を祝った。

ダライ・ラマは「私はただの仏教僧であり、通常、誕生日を祝うことはしない」と述べ、「心の平和と慈悲の心を育む」機会として、誕生日を共に祝う人々に感謝を示した。

伝統的な法衣と黄色の袈裟を身に着けたダライ・ラマは、2人の僧侶の助けを借りながら何千人もの信者たちに笑顔を振りまいて歩くと、祈祷の前には踊りを見学した。

中国政府は、チベットの自治拡大を求める運動を生涯にわたって主導してきたダライ・ラマを、反逆者で分裂主義者だと非難している。

亡命チベット人の多くは、1950年にチベットに中国人民解放軍を送り込み、以来支配してきた領土の統治を強化するため、中国が後継者を指名するのではないかと懸念している。(c)AFP