「グリンゴは出ていけ!」外国人流入による家賃高騰への抗議デモ メキシコ首都
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【7月5日 AFP】メキシコの首都メキシコ市中心部で4日、外国人の流入による家賃高騰に抗議するデモが行われ、数百人が参加した。中には「グリンゴ(外国人、特に米国人を指す)は出ていけ!」とシュプレヒコールを上げる参加者もいた。
参加者の一部は暴徒化し、窓ガラスを割ったり、レストランの設備を破壊したり、衣料品店を略奪したりするなどした。
メキシコ市のセサル・クラビオト政府長官はミレニオテレビで、店舗や公共施設15か所が「外国人排斥的な表現」による被害を受けたと述べた。メキシコ人移民が移住先の国で経験しているのと同じものだという。
メキシコ市のローマ・コンデサ地区などには新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が始まった2020年以降、フルリモートで働く若い米国人を中心とする外国人が、生活費の安さに引かれて流入している。
こうした外国人の流入により家賃は大幅に高騰。もともと住んでいたメキシコ人は、より家賃の安い地域への移住を余儀なくされている。
若者を中心とするデモ参加者が掲げたプラカードには「住宅は権利だ。商品ではない」「メキシコはメキシコ人のもの」などのスローガンが書かれていた。他には「納税し、スペイン語を学び、メキシコの文化を尊重しろ」「グリンゴは帰れ」と書かれたものもあった。
AFP記者によると、参加者の一部が道路沿いのレストランの前を通過する際に米国人客にやじを飛ばしたが、米国人客は無視して食事を続けるか黙って立ち去った。
ローマ・コンデサ地区は、外国人の流入による家賃高騰の影響を特に大きく受けている。メキシコ市では過去にも外国人の流入による家賃高騰に抗議するデモが行われているが、今回のものは過去最大の規模だった。
在外米国人協会の2023年の集計によると、国外在留米国人500万人のうち、約5分の1がメキシコに滞在している。
今回のデモは、ドナルド・トランプ米大統領が米国内で不法移民の取り締まりを強化している中で行われた。(c)AFP