【7月5日 AFP】国連は4日、米国とイスラエルの支援を受けてパレスチナ自治区ガザ地区で人道支援物資の配給を行う「ガザ人道財団(GHF)」の拠点周辺で5月下旬以降、500人以上が殺害されたと発表した。

公式には民間団体となっているGHFは、イスラエルがガザへの物資供給を2か月以上遮断し、大規模な飢饉(ききん)の警告が出された後、5月26日に活動を開始した。

GHFの活動は混乱を招き、配給物資の受け取りを待つ人々にイスラエル軍が発砲したと毎日のように報じられている。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のラビナ・シャムダサニ報道官は会見で、GHFの活動開始から6月27日正午までに、GHFの配給拠点付近と人道支援物資を運ぶ車列付近で「合計613人の殺害を確認した」と述べた。

そのうち509人がGHFの配給拠点付近で殺害され、残りは国連などの人道物資を運ぶ車列付近で殺害されたという。

シャムダサニ氏は「イスラエル軍が配給拠点に向かおうとするパレスチナ人を砲撃・銃撃しているのは明らかだ」と付け加えた。

世界保健機関(WHO)のパレスチナ代表を務めるリック・ピーパーコーン氏は、「ガザでの無意味な殺戮(さつりく)を止めなければならない」と述べた。

ピーパーコーン氏は今週、ガザのナセル病院を訪問し、「床にも廊下にも、至る所に患者がいる」と述べた。

「主に青少年や若い男性で、彼らが安全とされる非国連の食糧配給拠点に行っていることは誰もが知るところだ」「頭、首、胸を撃たれたケースが非常に多い」と続けた。(c)AFP