ハイチ首都、90%がギャング支配下に 国連
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【7月3日 AFP】国連は2日、カリブ海のハイチでギャング(武装集団)が首都ポルトープランスの掌握を強めており、同市で国家統制が「完全崩壊」する可能性があると述べた。
ミロスラフ・ジェンチャ国連政治局欧州・中央アジア・米州担当副事務局長は安全保障理事会で、「われわれは、国家統制と法の支配が急激に浸食されるのを目にしている。残忍なギャングによる暴力は、公私問わず生活のあらゆる側面に影響を及ぼしている」と述べた。
現地警察とケニア主導の多国籍治安支援ミッションが「最善を尽くしている」にもかかわらず、国家統制の回復に向けて前進できていないと述べた。
米州で最も貧しい国であるハイチは、数十年にわたって政情不安に苦しんでおり、特にここ1年間はギャングによる暴力が急増している。
ジェンチャ氏は、「国際社会が行動を強化しなければ、ポルトープランスにおける国家統制の完全崩壊は、非常に現実的なシナリオとなり得る」と述べた。
さらに、アントニオ・グテレス事務総長がケニア主導の部隊への後方支援を行う国連ミッションの設置を提案したことに言及し、「現在検討している選択肢は、国家統制が完全に崩壊した場合よりも、費用も複雑さも少なく済む」と述べた。
国連薬物犯罪事務所のガーダ・ワーリー事務局長は、凶悪なギャングが現在、ポルトープランスの約90%を支配していると述べた。
ワーリー氏は、国家統制が急速に失われる中、ギャングがその空白につけ込んでいるとして、「ギャングが(現政府と)併存する統治機構を構築し、基本的な公共サービスを提供している」と警告。
現地の病院からの報告を引用しながら、「さらに憂慮すべきなのは、臓器摘出を目的とした人身売買に関する新たな疑惑だ」と付け加えた。(c)AFP