【7月1日 AFP】タイの憲法裁判所は1日、カンボジアとの衝突をめぐる問題で法的な結論が出るまで、ペートンタン・シナワトラ首相に対し職務の停止を命じた。

裁判所は「判決を下すまでの期間、ペートンタン首相の職務を停止することについて、9人中7人が賛成した」とする声明を発表した。これは、カンボジアとの国境紛争への対応をめぐり、憲法が定める倫理規定に違反したとして、保守派の上院議員らが首相の解職を求めた訴えを裁判所が受理したことを受けての判断だ。

カンボジアとの間では長年にわたり国境問題が続いており、5月の衝突ではカンボジア兵1人が死亡した。

この問題を受けて、ペートンタン首相はカンボジアのフン・セン前首相と電話で協議したが、この際にフン・セン氏を「おじさん」と呼び、タイの軍司令官を「敵」と表現したことがリークされ、世論の反発を招いた。

保守派議員らは、ペートンタン首相がカンボジアに媚びを売り、軍の威信を損ねたと非難。また、「明白な誠実さ」および「倫理基準」を求める憲法の規定に違反したと主張している。(c)AFP