【6月30日 AFP】国連開発計画(UNDP)総裁代行の徐浩良氏は29日、世界の混乱と対外援助の大幅削減の時代において、援助への支出は平和を促進するために不可欠だと強調した。

徐氏は30日からスペイン・セビリアで開催される国連の「開発資金国際会議」を前にしたインタビューで、援助・貿易・防衛への投資は「ゼロサムゲームではない」「国際開発協力は、平和の土台を築く上で極めて重要だ」と述べ、世界の貧困層の大多数が紛争下の国々に暮らしていることを指摘した。

ロシアによるウクライナ侵攻や中東の紛争が世界の安全保障を揺るがす中、米国や欧州諸国をはじめとする裕福な援助国は、援助予算を削減し、防衛費を増加させている。

徐氏によると、2024年の軍事支出は前年から20%増加し、過去最高の2.7兆ドル(約400兆円)に達した。

だが、中国出身の徐氏は、優先課題や危機が競合する状況にあっても、途上国を支援することは富裕国自身の利益にかなうと強調。

「平和の基盤を築き、不安定な国々の安定に投資することは、例えば移民問題を抱える国々の負担軽減にもなる」「世界のどこかで起きる危機は、現在繁栄し安定している他の地域にも影響を及ぼす」と述べた。

30日に始まる第4回開発資金国際会議には、50人以上の各国首脳の出席が見込まれており、同種の会議としては過去10年で最大規模となる。(c)AFP