トランプ氏の減税法案、採決に向け前進 米上院
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【6月30日 AFP】米上院は29日、大型減税などを盛り込んだ法案の採決に向け、一歩進んだ。法案は、ドナルド・トランプ大統領の看板政策を実現する一方で、社会福祉プログラムの大幅削減を断行するという、全米を分断するような内容となっている。
トランプ氏は、「大きくて美しい法案」と名付けた法案が自身の遺産として残ることを期待している。法案は4兆5000億ドル(約650兆円)規模の減税を実施し、国境警備を強化することなどが盛り込まれている。
しかし、2026年の中間選挙を見据える共和党内では、法案をめぐり意見が分かれている。法案は、数百万人の最貧層から医療サービスを奪い、連邦債務を3兆ドル以上膨らませることになるとみられている。
法案への批判をめぐってトランプ氏と公然と対立した実業家のイーロン・マスク氏は28日にも、「全くもって狂気で破壊的だ」と非難した。
一部共和党議員が手続きを遅らせた後、上院は28日遅くに法案の正式な審議を開始した。トランプ氏は、法案を議会通過させ、7月4日の独立記念日までに署名して成立できるよう党に圧力をかけている。
下院はすでに独自のバージョンを可決しているが、両院が同じ内容を承認しなければ、法律として署名されることはない。(c)AFP/Asad HASHIM