体重管理のクリニックの設置を推進・中国
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【6月29日 Peopleʼs Daily】腰回りが太すぎ体重が重すぎる人が増え、慢性病を患う人も増加している。国家衛生健康委員会の雷海潮(Lei Haichao)主任は、民生をテーマにした記者会見で、「体重管理年」キャンペーンの推進を続け、医療機関に「体重外来」の設置を促す方針を明らかにした。この発表を受け、「体重外来」はたちまち社会の注目を集めた。
統計データによると、中国の成人の過体重と肥満の割合はそれぞれ約34.3%と16.4%で、肥満傾向は中国成人の無視できない健康リスクとなっている。
それでは「体重外来」はどのような問題を解決できるのか?どの分野が関係するのか?
どのような人たちに適しているのか?
これらの問題について、各地で取材を行った。
北京市海淀区(Haidian)在住の王(Wang)さんは、息子楽楽(Lele)君を北京大学(Peking University)人民病院の医学栄養減量外来に連れてきた。16歳の楽楽君はBMI(体重指数)が40.3と、重度肥満に該当する。
同院臨床栄養科の柳鵬(Liu Peng)主任は「子どもは普段からフライドチキンなどの揚げ物を好み、野菜や果物の摂取量が少ない」と言う。楽楽君は検査の結果、内臓脂肪が著しく過剰で、血中尿酸値も高く、早期の改善がなければ脂肪肝、肝機能障害、痛風の発作やその他の代謝異常を引き起こす恐れがあるとの診断を受けた。
柳主任は、楽楽君が成長期にあることを考慮し、彼のため「食事と運動のプラン」を作成した。高タンパク質・高食物繊維の食事パターンを採用し、揚げ物やプリン体を多く含む食品の摂取を極力減らし、卵や牛乳で良質なタンパク質を補うことにした。主食は適量に抑え、白米と雑穀などをバランスよく組み合わせたものにした。十分な睡眠を確保し、規則正しい生活リズムを組み立て、代謝機能を改善することにした。
そして柳主任は、今後、継続的に観察する」として、毎月体重、微量栄養素、血中尿酸値などの代謝指標の変化を記録し、食事と運動の組み合わせ内容に対し、タイムリーな再評価と調整を行うこととした。
中国科学技術大学附属第一病院(安徽省<Anhui>立病院)の党委書記・劉連新(Liu Lianxin)教授は「私たちの目標は単に体重を減らすだけでなく、『体重管理+慢性疾患管理』の二重の目標を達成し、総合的な介入を通じて関連指標の全面的な改善を実現することだ」と説明する。
同院の健康管理センターの昨年度の検診データによると、受検者の約22%が肥満の問題を抱えており、そのうちの多くが糖尿病や高血圧などの慢性疾患のリスクを有している。その対策としては「体重外来」と複数の専門の診療科の連携が不可欠だという。
安徽省合肥市(Hefei)に住む57歳の男性李(Li)さんは、中国科学技術大学附属第一病院の「体重と多診療科外来」で再診を受けた。李さんは以前、体重超過に加え、高血圧、脂質異常症、尿酸値上昇などの問題を抱えていた。その後半年間の健康管理を経て、今では体重が13キロ減少し、BMIは正常範囲内まで低下した。血圧は安定し、降圧薬の服用は取りやめた。コレステロール、トリグリセリド、クレアチニン値も正常に戻った。
医師が提案する「個人に合わせた減量プラン」には、食事、運動、薬物療法、心理的サポートが含まれている。
劉教授は「我々はリソースを統合し、健康管理センター、血管疾患管理センター、老年医学科、内分泌科、臨床栄養科など複数の専門分野の医師を集めた診療チームを編成し、過体重や肥満の人たち、特に代謝性疾患や心血管疾患を伴う慢性疾患患者に対して、総合的な体重管理サービスを提供している」と説明する。
慢性疾患患者や小児・青少年の肥満者だけでなく、妊娠を希望する肥満女性や体型管理を目的とする人たちも「体重外来」の対象となる。
体重減少で身体の状態を改善したい人に対して、廈門大学附属第一病院内分泌糖尿病科の劉長勤(Liu Changqin)主任医師は、脂質や糖分の多い食事を控え、夕食を早めに摂り、夜食は控え、食事は「腹八分目」程度に抑えることを推奨している。また、長時間座り続けることを避け、空き時間を利用した分散型の運動を心がけ、適度な筋力トレーニングを行い、さらに、23時までに就寝し、夜更かしを避けて生活リズムを乱さないよう注意する必要があるとしている。
もし薬物療法を併用する場合は、総合的な検査結果に基づき、医師の指導の下で適切な療法を行うべきとも強調している。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews