■「今こそ立ち上がる時」

ユダヤ系のフェレシュテさんは、1980年代のイラン・イラク戦争中に祖国を逃れた。「今こそイランの人々が立ち上がる時だ。今の政権は、とても弱っている」と語った。

トランプ氏は、米国第一主義を唱え、他国の戦争に関与しないことを公約に掲げて大統領選で勝利した。

だが、ガファリさんの食料品店を訪れるイラン系の客たちの中には、米国によるイランへの介入を推し進めてほしいと考える人々もいる。

2010年に渡米したというメフルヌーシュさん(45)は、「米軍を派遣するべきだ」と話した。

「イランの人々は身動きが取れない」と指摘。「現政権は3年前、(ヒジャブの着用方法をめぐり警察に逮捕された)マフサ・アミニさんの死をきっかけに広がった抗議デモで、大勢の市民を殺害した」と付け加えた。

一方、「テヘランの味」という店名を持つレストランのテラスにいたエンジニアの男性(68)は、匿名で取材に応じ、米国がイラクやアフガニスタンでたどった運命を繰り返さぬよう、イランからは撤退すべきだとの考えを示した。

「武力による改革が成功することはない。改革は、国の内側から、国民の手で、国民のために行われるべきで、今はまだその時ではない」と語った。

イランとイスラエルとの交戦では、両国の当局によれば、これまでにイラン側で600人以上、イスラエル側で28人が死亡している。

この男性が電話で話したばかりの伯母は、イスラエルの空爆を逃れるため、テヘランから国内北西部に避難していたという。

「(米軍が介入する)意義があるのか。絶対にない」と言い、イラン・イラク戦争中に祖父母を爆撃で亡くしたことを振り返った。「一日も早く、すべて終わってほしい」と話した。(c)AFP