【6月25日 AFP】米カリフォルニア州ロサンゼルスに、イラン系米国人が多く集まる地区がある。ナツメヤシやプラムなどのドライフルーツ、ピスタチオを扱う食料品店で働くモハンマド・ガファリさんは、米国によるイランの核関連施設への空爆を受け、祖国に住む兄弟姉妹の安否を案じていた。一方で、これで祖国が変わっていくのではないかとの希望も抱いている。

「(イランでは)国民に食料が十分に行き渡っていない」と語るガファリさんは、1979年のイラン革命以前に留学のために国を離れ、以降、一度も帰国していない。

「イランの人々が政権交代を望んでいるなら、私も歓迎する」と話した。

「みんな喜ぶと思う」と話すのは、買い物に訪れていたフェレシュテさん。身元を保護するためにファーストネームのみを明かした上で、ドナルド・トランプ大統領は「英雄」だと語った。

トランプ氏は先週末、イランの核施設3か所への空爆を命じ、イスラエルによるイラン攻撃を前例のない形で支援。

一時は、「政権交代」の可能性にも言及したが、その後、混乱を招くとして、主張をトーンダウンさせた。

テヘランとの造語で「テヘランゼルス」の愛称を持つこの街で、イランの宗教指導体制を打倒する話題は大きな関心を集めている。市内には、20万人近いイラン系米国人が住んでおり、祖国を離れたイラン人の世界的な拠点となっている。

イラン系移民の多くは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)近くの市内西端で暮らし、中東の食料品やじゅうたん、ペルシャ語の書籍を扱う書店が並ぶこの地域は、「リトル・ペルシャ」とも呼ばれている。

ここに住むイラン系移民には、ユダヤ人やキリスト教徒、アッシリア人など、イラン国内では差別を受けることが多い少数派も含まれている。