【6月24日 AFP】世界経済フォーラム(WEF)のボルゲ・ブレンデ総裁は24日、AFPに対し、現在の世界情勢は過去数十年で「最も複雑な」地政学的状況にあり、この混乱が「世界経済の成長に影響を及ぼしている」と警告した。

ブレンデ氏は中国北部・天津で24日に始まったWEFの「ニュー・チャンピオン年次総会(夏季ダボス会議)」を前に発言。「現在、われわれが目にしているのは、過去数十年で最も複雑な地政学的・地経学的背景だ」とし、「もしも成長を回復させることができなければ、今後10年にわたって低成長が続く可能性がある」と警鐘を鳴らした。

今回の夏季ダボス会議は直前にイラン・イスラエル紛争の勃発とそれに対する米国の関与があり、またドナルド・トランプ米大統領が開始した関税戦争によって世界経済が打撃を受けてきた状況を背景としている。

ブレンデ氏はAFPに対し、トランプ政権による一連の関税措置の影響について「交渉はまだ進行中で、これらの関税が最終的にどうなるのかを語るには時期尚早だ」としつつ、「結論はまだ出ていないと思うが、これまで見てきた伝統的なグローバリゼーションは、すでに別のシステムへと変化している。それは新たな章の始まりであり、とりわけ貿易こそが成長の原動力だったことを考えると、重要な転換だ」と語った。

さらにブレンデ氏は、拡大する国際紛争が世界経済の成長に「非常に深刻な悪影響」を及ぼす恐れがあるとも警告した。(c)AFP