「危険なエスカレーション」 米のイラン攻撃に世界が反応
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【6月23日 AFP】米国が22日に行った、イランの核施設3か所に対する攻撃を受け、世界が反応した。各国首脳らの主な発言をまとめた。
■イラン
イランのアッバス・アラグチ外相は、SNSに「けさの出来事は無法であり、永続的な影響をもたらすだろう」と投稿。その後、米国とイスラエルは「非常に大きなレッドライン」を越えた、とも述べた。
■イスラエル
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はビデオメッセージで、ドナルド・トランプ大統領を祝福し、攻撃が「中東およびその他の地域に繁栄と平和の未来をもたらすだろう」と主張。「素晴らしい米国の正義の力でイラン核施設を標的にするというあなたの大胆な決断は歴史を変える」とし、「米国が真に無敵であることを示した」とたたえた。
■EU
欧州連合(EU)の外相に当たるカヤ・カラス外交安全保障上級代表はXで、「全当事者に一度立ち止まって交渉の席に戻り、さらなるエスカレーションを防ぐよう強く求める」とつづった。イランが核兵器を開発することは容認できないとも主張した。
■ロシア
ロシア外務省は、米国のイラン攻撃は「無責任」であり、「国際法の重大違反」だと批判。「危険なエスカレーションが始まり、地域および世界の安全保障が一段と損なわれる恐れがある」とした。
■ウクライナ
ウクライナ外務省は、イランの核兵器開発を防ぐためには攻撃は正当化されるとし、「明確なシグナル」だと評価した。
■国連
国連のアントニオ・グテレス事務総長は声明で、攻撃について「すでに危機にひんしている地域における危険なエスカレーション」だと指摘。「軍事的解決策はあり得ない。唯一の道は外交であり、唯一の希望は平和だ」と強調した。
■中国
中国外務省は、米国の攻撃は「中東の緊張を高める」と強く非難。「中国はすべての紛争当事者、特にイスラエルに対し、できるだけ早急に停戦するよう求める」と述べた。
■レオ14世
ローマ・カトリック教会の教皇レオ14世はバチカンで行った恒例の「お告げの祈り」で、「人類は平和を求めて叫んでいる」と語り、すべての戦争の終結を呼びかけた。「国際社会の各メンバーは、戦争の悲劇が取り返しのつかない深淵(しんえん)に陥る前に終わらせる道徳的責任を負っている」と訴えた。(c)AFP