台湾、「親中派」野党議員24人対象にリコール投票実施へ
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【6月21日 AFP】台湾の中央選挙委員会は20日、最大野党・国民党の立法委員(国会議員)24人を対象としたリコール(解職請求)投票を7月26日に実施すると発表した。投票の結果次第で、立法院(国会)における勢力バランスが与党・民主進歩党(民進党)に傾く可能性がある。
頼清徳総統は就任から1年を迎えたが、立法院は国民党と第2野党の台湾民衆党が過半数を占めており、「ねじれ」議会となっている。民進党は解職成立後の補欠選挙で6議席を上積みすれば、過半数を奪還し、ねじれを解消することができる。
中央選挙委員会は20日、国民党立法委員24人と新竹市の高虹安市長(台湾民衆党)に対するリコール案について、投票に進むための2番目かつ最後の要件を満たしたと認定した。
高氏は昨年汚職で有罪判決を受け、職務を停止された。高氏は判決を不服として控訴している。
民進党の林右昌秘書長(幹事長)は19日、リコール運動イベントで、国民党の「親中派」立法委員らが「国家安全保障を弱体化させ、台湾を骨抜きにしている」と述べ、こうした立法委員の議席を剥奪するよう有権者に呼び掛けた。
中国は、台湾は中国領土の不可分の一部だと主張し、近年では軍事的・政治的圧力を強めている。
台湾は、中国がスパイ活動、サイバー攻撃、偽情報を用いて台湾の防衛力を弱めていると非難している。
国民党は20日、「民主主義を守り」、「秩序を回復するためリコールに反対票を投じる」よう支持者に呼び掛けた。
対抗措置として行われている民進党の立法委員12人の解職を求めるリコール運動は、国民党が死者の名前を使って署名を偽造した疑惑が浮上し、論争に巻き込まれている。これらのリコール運動は、署名不足で不成立となるか、現在も継続中となっている。(c)AFP