【6月21日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は20日、イランとイスラエルの仲裁役を務めるつもりはなく、エスカレートする危機を解決するためのアイデアを提案しているにすぎないと述べた。

イスラエルがイランが交戦と続ける中、ロシア大統領府(クレムリン)は、自国を仲裁役候補として位置づける動きを活発化させた。

だが、西側諸国の首脳はプーチン氏が仲裁役を務めることに反発。ロシアは今週、同国の申し出にイスラエルが提案にほとんど関心を示していないと述べた。

プーチン氏はサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで、「われわれは決して仲裁役を務めようとしているのではない。アイデアを提案しているにすぎない」「もしそれが双方にとって魅力的なものになれば、それに越したことはない」と述べた。

ロシアはイスラエルのイラン攻撃を非難こそしているものの、同盟国であるイランに軍事支援を提供しておらず、数か月前に締結した「包括的戦略パートナーシップ条約」に基づく義務を軽視している。

米国がイラン・イスラエル紛争にイスラエル側で介入するのではないかとの臆測が広がる中、ロシア外務省は19日、イランに対する軍事行動を取らないよう米国に警告した。

また、イスラエルがイランの最高指導者アリ・ハメネイ師の殺害をほのめかしていることについてコメントを求められると、プーチン氏は、「皆さんが言及していることが言葉の域にとどまることを心から願っている」と述べた。

イスラエルが13日にイラン攻撃を開始した後、プーチン氏は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相およびイランのマスード・ペゼシュキアン大統領と電話会談を行った。

だがクレムリンは今週、「少なくともイスラエル側は、何らかの仲裁機関に頼ることにも、平和的な解決への道を歩むことにも消極的だ」と述べた。

ドナルド・トランプ米大統領とエマニュエル・マクロン仏大統領は、プーチン氏が仲裁役を務めることに公然と反対している。

トランプ氏はロシアとウクライナの紛争に言及し、「彼(プーチン氏)が実際に仲裁を申し出てくれた。私は『頼むから、まずは自国をなんとかしてくれ』と言った」「まずはロシアを仲裁しよう。いいか? 私は『ウラジーミル、まずロシアを仲裁しよう。君は他国の心配をしてる場合じゃないだろう』と言ったんだ」と語った。(c)AFP