【6月20日 AFP】衛星画像によると、米軍が駐留する中東カタールのアルウデイド空軍基地の駐機場から米軍機数十機が姿を消したことが明らかになった。米国がイラン・イスラエル紛争への介入を検討している中で、今後起こり得るイランの攻撃から機体を守るための措置とみられる。

米衛星画像企業プラネット・ラブズPBCが公開し、AFPが分析した画像によると、アルウデイド空軍基地の駐機場には6月5日時点で、C130「ハーキュリーズ」などの輸送機や偵察機を含む約40機が駐機していた。

だが、6月19日に撮影された画像では、3機しか確認できない。

在カタール米国大使館は19日、「継続的な地域紛争に鑑み、念には念を入れて」、アルウデイド空軍基地へのアクセスを制限すると発表するとともに、職員に対し「一層の警戒」を促した。

米ホワイトハウスは、ドナルド・トランプ大統領が今後2週間以内に、同盟国イスラエルによるイラン攻撃に参加するかどうかを決定するとしている。イランは反撃として、中東の米軍基地を攻撃する可能性がある。

元米陸軍中将で、ランド研究所で防衛を研究するマーク・シュワルツ氏は、アルウデイド空軍基地の人員、航空機、施設は、イランに「近い」ため、「極めて脆弱(ぜいじゃく)」だと指摘した。

中東で勤務した経験もあるシュワルツ氏はAFPに対し、破片でさえ航空機を「任務遂行不能」にする可能性があると説明。「米軍の兵員と装備の両方へのリスクを減らしたいのだろう」との見方を示した。

6月初め以降にアルウデイド空軍基地の駐機場を離れた航空機は、格納庫か中東の別の基地に移された可能性がある。(c)AFP