中国人留学生、連続レイプで終身刑 余罪も多数か 英
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【6月20日 AFP】英国のインナーロンドン刑事法院は19日、同国と中国で10人の女性に薬物を投与してレイプした罪で有罪判決を受けた中国人留学生、鄒鎮豪被告(28)に対し、終身刑を言い渡した。ロンドン警察は、鄒被告が他に50人以上の女性を標的にしていたことを示唆する証拠があると述べている。
公判で「計画的で捕食的」と評された連続レイプ犯の鄒被告は、飲みや勉強を口実として標的の若い中国人女性をロンドンにある自宅アパートに誘い込み、薬物を投与してレイプに及んだ。
鄒被告は隠しカメラや手持ちカメラでレイプのうち9件を撮影していたが、被害者10人のうち身元が判明しているのは3人だけだ。
ロジーナ・コテージ判事は、「あなたが一連のレイプを計画・実行し、壊滅的かつ長期的な影響をもたらしたことは疑いようがない」と述べた。
鄒被告は世間から「裕福で、野心的で、魅力的」に見られていたが、それは「性的捕食者(セクシャルプレデター)」という本性を隠す仮面にすぎなかったと述べた。
鄒被告は己の欲望を満たすために被害者を「冷酷」かつ「性玩具」のように扱っており、権力欲と「女性に対する支配欲」も強いことから、「生涯にわたって危険人物」であり続けるだろうと付け加えた。
黒いスーツを着て眼鏡をかけた鄒被告は被告席で、表情を変えることなく通訳を通して判決を聞いていた。未決勾留期間を考慮すると、仮釈放までに少なくとも22年服役することになる。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの大学院でエンジニアリングを学んでいた鄒被告は3月、28件の罪で有罪評決を受けた。これには、レイプ11件(うち2件は1人の女性に対するもの)、盗撮3件、そして不法監禁1件が含まれている。
鄒被告は2019~2023年、ロンドンで3人の女性、中国で7人の女性をレイプした罪で有罪判決を受けた。
他に、性犯罪目的で工業用溶剤であるブタンジオールを所持した罪3件と、過激なポルノ画像を所持した罪10件でも有罪判決を受けた。
被害者たちは判決公判で、悪夢、自傷行為、絶望感、孤立感など、自身が受けた精神的ダメージについて証言した。
ある被害者は、鄒被告に襲われた後、「おりにとらわれた動物のように出口を探してさまよっていた」「あの夜の出来事は、私の心に永遠に刻まれている」と回想。鄒被告の家族は「中国で非常に強い権力を持っている」ため、「復讐(ふくしゅう)」されるのではないかと恐れていたと付け加えた。
サイラ・パイク検事は判決言い渡し後、鄒被告を「連続レイプ犯であり、女性にとって危険な存在」と呼び、「終身刑は、彼の凶行と女性に与えた危害、そして社会に及ぼした危険を反映している」と述べた。(c)AFP