中国で続々登場する新職業、経済発展の活力を反映
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【6月20日 Xinhua News】中国の新たな職業体系は現在、デジタル化とスマート化に向けた進化を加速させている。新職業の大量出現と届け出主体の多様化は、経済の構造転換と高度化の加速を反映している。
天津(西青)国家級コネクテッドカー先導区のクローズドテスト場では、インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の試験員、姚中華(よう・ちゅうか)さん(33)が、あるICVのAEB(衝突被害軽減ブレーキ)機能の検査に向けて万全の準備をするため、テストシナリオの作成に集中していた。
姚さんは「われわれは検査機器を使ってICVの有効性と信頼性に関する機能テストを行い、テストの映像やデータをリアルタイムで記録している」と説明した。
中国人的資源・社会保障部など3部門は2024年7月、19の新職業を発表した。そのうちの一つがICVの試験員だった。
南開大学商学院人的資源管理学部の王琳琳(おう・りんりん)主任は、これら新職業の7割以上が新たな質の生産力(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)分野に関わるもので、デジタル経済、グリーン(環境配慮型)エネルギー、スマート製造などの「デジタルインテリジェンス」の最前線を網羅しており、これは中国の技術革命と産業高度化の成果だと分析した。
新たな職業の出現は、より豊富な製品とサービスの供給をもたらし、より多くの人々が自身の強みを発揮し、新たな成長の可能性を切り開くことにつながる。職業の革新は、新たな質の生産力の中核的な概念と高度に一致し、中国の経済発展の活力を反映している。
王氏は「新職業の大量出現は、新たな質の生産力の発展に人的基盤を提供し、労働力の低付加価値産業から高技能分野への移行を促進し、雇用の全体的な質を向上させる」と述べた。
ICV分野を例にすると、ますます多くの中国自動車メーカーが新技術に先導されて革新と変化を遂げている。デジタル化された工場やスマートファクトリーが次々と建設され、革新的技術の応用ソリューションやシナリオが相次いで発表され、新たな職種や職業が生み出され続けている。
天津(西青)国家級コネクテッドカー先導区の運営会社、天津市永泰恒基投資の佘紅志(しゃ・こうし)副総経理は「われわれはIoV(車のインターネット)産業の発展を支援し、産業チェーン企業の集積を促進することで、百以上の新職業の雇用を創出した。また、人工知能(AI)、スマート製造、ビッグデータなどでの人材需要は引き続き高まっている」と述べた。
デジタル経済やスマート製造などの分野が発展し続ける中、新職業の人材需要規模も拡大し続けている。例えばAI分野では、2030年までに中国のAI専門人材の需要は約600万人に達すると米コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニーの報告書で予測されており、人材不足は最大400万人に及ぶ可能性があるという。
王氏は、中国は依然として「技術-制度-教育」の協調メカニズムを構築し、関連する基準や規範を制定し、新職業の健全な発展を導くことが必要だと指摘。それにより、経済の質の高い発展と社会の持続可能な発展目標実現のため、新職業が重要な役割を果たせるようにする必要があるとの認識を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News