中国雲南省の切り花輸出、中央アジア向け10倍に
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【6月20日 Xinhua News】中国南西部の雲南省で栽培される生花が、種類の豊富さ、品質の高さ、コストパフォーマンスの良さから、外国人バイヤーの注目を集めている。昆明税関によると、1~5月の切り花輸出額は前年同期比53・2%増の4億6千万元(1元=約20円)となった。うち中央アジア諸国向けは10倍超の5930万元に上っている。
昆明市の花卉(かき)生産拠点「徳芮爾花卉基地」では、毎週20万本以上の切り花がカザフスタンに輸出されている。責任者の周天翊(しゅう・てんよく)さんは「中国の整備されたコールドチェーン物流体制により、全行程で冷蔵輸送と真空包装が可能になった」と説明する。昆明で収穫された花は、品質と鮮度を保ったまま、わずか5日でカザフスタン・アルマトイの花屋に届くという。
カザフスタンでは花の消費が盛んで、これまではアフリカや南米からの輸入に依存していた。だが輸送に時間がかかる上、コストも高いことから、近隣諸国で供給元を探す動きが広がっていた。
雲南省は自然条件に恵まれ、エクアドル、ケニアと並ぶ「世界三大切り花産地」の一つとされる。統計によると、2024年には約13万ヘクタールで花卉栽培が行われ、うち切り花の栽培面積は2万3千ヘクタール、生産量は206億本に上り、いずれも中国最大となっている。
昆明市呈貢区にあるアジア最大、世界第2の切り花取引市場では、1日に約1千万本の切り花が取引され、カザフスタンをはじめとする50以上の国・地域に輸出されている。
カザフスタン国家統計局のデータによると、24年に中国から輸入された切り花とつぼみは1100トンに上り、輸入額は前年比約14倍の750万ドル(1ドル=約145円)に達している。(c)Xinhua News/AFPBB News