米国、HIV予防薬を承認 半年に1度の注射で効果期待
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【6月19日 AFP】米食品医薬品局(FDA)は18日、米製薬大手ギリアド・サイエンシズのHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染予防薬を承認した。半年に1度の注射で予防できるという。
HIV感染予防薬は、10年以上前から存在しているが、通常は毎日薬を服用する必要があるため、世界的な感染減少にはまだ大きな影響を与えていない。
ブランド名「Yeztugo」で販売される「レナカパビル」は、治験では、成人および10代のHIV感染リスクを99.9%以上減少させることが確認されており、強力なワクチンに匹敵する効果を持つ。
ギリアドは、Yeztugoの薬価を公表していないが、アナリストは米国での発売価格は年間2万5000ドル(約360万円)と見積もっている。HIV治療薬として既に承認されているレナカパビルの現在の定価は年間3万9000ドル(約570万円)だが、予防薬として使用される場合は、価格が低下すると見込まれている。
活動家は、HIVの世界的な感染拡大を終わらせる一助として、ギリアドに対し、薬価を大幅に引き下げるよう求めている。
「年間2万ドル(約290万円)を超える場合、高所得国でさえレナカパビルを広範に使用することはできない」と、英リバプール大学のアンドリュー・ヒル氏は指摘した。
ヒル氏が率いた研究チームの調査・試算によれば、レナカパビルの大量生産は可能で、1人当たり年間わずか25ドル(約3600円)で販売できるという。(c)AFP