英下院、妊娠24週以降の中絶を非犯罪化する修正案可決
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【6月18日 AFP】英下院で17日、イングランドとウェールズでの人工妊娠中絶を非犯罪化する修正案が賛成242で可決された。
現在、妊娠24週以降、または医師2人の承認なしに中絶を行った女性は刑事訴追され、法律上は最高刑として終身刑を科される可能性がある。
英国ではこの問題が最近の裁判で注目を集め、1件では女性が陪審によって無罪とされ、もう1件では控訴審で無罪となった。
労働党のトニア・アントニアッツィ議員が提出した修正案は、時期を問わず、中絶した女性の刑事責任を問わないようにするためのものだが、基本的な中絶法自体は変更されない。
犯罪法案および警察法案全体の成立は、採決を経て上院での可決を待たなければならない。
アントニアッツィ議員はAFPに、「女性たちは現在、病院のベッドから警察の留置場に連行され、妊娠中絶したとして刑事捜査を受けている」とし、「私の修正案により、こうした事態は終わるだろう」「今こそ改正すべきだ」と訴えた。
イングランドとウェールズでの中絶は、1861年のビクトリア朝時代に制定された法に基づき刑事犯罪と見なされ、理論上、終身刑を科される可能性がある。
1967年の中絶法は、特定の状況下での中絶を合法化し、認可を受けた医療従事者による妊娠23週と6日までの中絶を許可。この期間を過ぎていても、母体が危険な状態にある場合や、子どもが重度の障害を持って生まれる「重大なリスク」がある場合などには中絶が許可されている。
また、新型コロナウイルスの感染拡大期の法改正により、妊娠10週未満であれば、自宅で経口薬を服用して中絶することも認められている。
アントニアッツィ議員の修正案は、中絶手術に関する法律や中絶可能な週数を変更するものではない。また、法律の範囲外で女性の中絶を支援した医療従事者は、依然として起訴の対象となる。
アントニアッツィ議員は、「過去5年で、流産や死産のケースを含め、100人以上の女性が違法中絶の疑いで警察の捜査を受けた」と指摘。
「これは税金、司法の時間の無駄使いであり、公共の利益にはならない」とBBCに語っている。
北アイルランドは2019年に女性の中絶を非犯罪化した。スコットランドも現在、中絶法の見直しを進めている。(c)AFP