【6月17日 AFP】英政府は16日、数十年にわたって多数の少女や若い女性を手なずけて性加害・搾取を行った「グルーミング・ギャング」スキャンダルの「悪弊を根絶」するため、厳しい新法を導入すると発表し、数千人の被害者に謝罪した。

当局が全国規模でグルーミングギャングの取り締まりを開始する中、イベット・クーパー内相は議会で、成人が16歳未満の子どもと性行為をした場合、今後は最も重いレイプ罪に問われることになると明言した。

この発表は、ルイーズ・ケイシー議員が執筆した、数十年にわたって英全土の町や都市に影響を与えてきたスキャンダルに関する痛烈な報告書が公表されたのと時を同じくして行われた。

ケイシー氏は報告書で、制度が被害者を見捨て、性的虐待を受けた被害者がしばしば責められてきた点を指摘している。

「グルーミング・ギャング」スキャンダルをめぐる最新の裁判で、英マンチェスターの裁判所の陪審は13日、南アジア系の男7人にレイプの罪で有罪評決を言い渡した。評議では、被害者の少女2人が「汚いアパートの臭いマットレスの上で、一日に何人もの男と」性行為を強要されたと証言した。

被害者の一人は、10歳の頃からソーシャルワーカーらに被害者ではなく「売春婦」として扱われていたと証言した。

16日には、別の事件でシェフィールド刑事法院に出廷した3人の男が、2008~2010年にイングランド北部ロザラムで10代の少女をレイプした起訴事実を否認した。

ケイシー氏の報告書によると、英国の性交同意年齢は16歳であるにもかかわらず、13~15歳の被害少女が加害者と「恋愛関係にあった」、または「性行為に同意した」とみなされ、グルーミング事件が取り下げられたり、軽視されたりする例が「あまりにも多過ぎる」という。

13~15歳の子どもの性被害に対する法律の「グレーゾーン」、つまり加害者を起訴するかどうかの判断に「解釈の余地がより多く残されていた」ことが原因とされる。

当初の意図は16歳未満の子ども同士の性的関係の犯罪化を避けるものだったが、実際には「16歳未満を性的に誘惑したはるかに年長の男」を利する結果となった。