【6月17日 AFP】ノルウェー国王ハラルド5世(88)は16日、北極圏のスバルバル諸島を訪れた。米国、ロシア、中国などの大国は同地域に関心を寄せており、極めて象徴的な訪問となった。

スバルバル諸島周辺は欧州大陸と北極の中間に位置し、氷床が後退し、ロシアと西側諸国の緊張が高まる中、地政学的・経済的な重要性を増している。また、今年に入ってからドナルド・トランプ米大統領がデンマークの自治領グリーンランドを併合する考えをちらつかせていることから、北極圏はさらに関心を高めている。

ハラルド5世はソニア王妃と共に、スバルバル諸島の中心都市ロングイェールビーンに王室のヨットから降り立ち、「今年ここを訪れたのは特に適切だった」と指摘。

「北極圏とスバルバルへの関心が高まっている。課題と共にチャンスも、もたらされる」と付け加えた。

国王が同地を訪れたのは、スバルバル諸島に関してノルウェーの主権を認める国際条約の発効100周年を記念した祝賀行事に出席するため。

1920年にフランス・パリで締結されたスバルバル条約は、スバルバル諸島に関してノルウェーの領有権を認める一方で、中国やロシアを含む50近い加盟国の国民にも、天然資源を開発する権利を認めている。(c)AFP