動画:展示作品にもたれて破損 逃げた観光客を「指名手配」 イタリア美術館
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【6月17日 AFP】イタリアの美術館に展示されていた椅子の前で写真を撮るために座るふりをして撮影に臨んでいた観光客が、バランスを崩して椅子を壊してしまう事件が起きた。同美術館は警察に届け出て、黙って立ち去った中年の観光客2人の行方を追っている。
破壊されたのは、アーティストのニコラ・ボッラ氏が制作したスワロフスキー製の「ファン・ゴッホの椅子」と呼ばれる作品。パラッツォ・マッフェイ美術館は、クリスタルで覆われたこの椅子は「非常に壊れやすい」と説明している。
同美術館が公開した動画には、この作品に座るふりをして写真を撮り合う不運な2人の姿が捉えられている。
女性は腰を落としているが、作品には触れていないようだ。だが、男性の方は、椅子にうっかり腰を下ろし、はずみで後ろに倒れ込み、その体重で椅子はつぶれている。
その後、2人が展示室からそそくさと逃げる様子を捉えた動画は、週末に拡散された。
16日にAFPの取材に応じた同美術館は、「すべての美術館にとって悪夢」のような出来事だと表現し、警察に届け出たと明らかにした。
SNSへの12日の投稿では、この出来事が起きてから4週間たっていないが、その後、椅子は修理したと公表していた。
しかしアーティスト本人は、「ポジティブな面」も見いだせるとの考えを示している。
「一種のパフォーマンスのようなものだ。芸術家だけではなく、一般人も、やってのけられる」とボッラ氏は語っている。(c)AFP