国連、多様性政策への「反発」を非難
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【6月17日 AFP】国連のボルカー・ターク人権高等弁務官は16日、社会的弱者をスケープゴートにする戦略的転換の一環として、多様性・公平性・包括性(DEI)政策が世界中で反発に直面していると述べた。
ドナルド・トランプ米大統領は今年1月にホワイトハウスに復帰して以来、DEIを推進するプログラムに対する反対運動を主導している。
トランプ氏が最初に行った行動の一つは、連邦政府のDEIプログラムを全廃することだった。
DEI政策を実施する企業は訴追の脅威にさらされており、メタ、ターゲット、マクドナルドといった大手各社はDEIプログラムを廃止、または大幅に縮小した。
ターク氏は国連人権理事会での世界概観に関する演説で、トランプ氏の名前にほとんど言及することなく、「社会的な緊張は、人種、宗教、性別、性的指向、性自認、移民の身分、カースト、その他の特性に基づく、体系的かつ長年にわたる差別に根ざしていることが多い」と指摘。
「こうした差別に対処する政策は、世界のあらゆる地域で重要な成功を収めてきた」「これをDEI政策と呼ぶ人もいるが、私は平等のために立ち上がる政策と呼ぶ」と付け加えた。
さらに、「こうした政策に対する反発を見れば、それが何たるかが分かる。それは、根本的な誤解だ。脆弱(ぜいじゃく)な集団をスケープゴートにするという戦略的な決定を露呈している」と訴えた。(c)AFP