【6月16日 CGTN Japanese】中国の科学者チームはこのほど、中国初の侵襲型ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の前向き臨床試験のための手術に成功しました。‌このプロジェクトは、世界最小の神経電極‌や世界で最も柔軟性のある神経電極‌、そして‌世界最小の脳制御インプラントという三つのプロジェクトの開発にも成功しており、いずれも世界トップ水準となっています。これにより中国は、侵襲型BMI技術において、米国に次いで世界で2番目に臨床試験段階に到達しました。

 プロジェクトチームによりますと、臨床試験の被験者は、高圧電流による事故で四肢を切断した37歳の男性です。今年3月、この男性の脳にBMI装置が埋め込まれてから、システムは安定して作動しており、感染や電極の故障といった問題は手術後 1 カ月以上にわたって発生していないということです。被験者は、わずか2~3週間の適応訓練で、意思だけでタッチパッドを操作できるようになり、コンピューターでチェスやレースゲームを楽しめるようになるなど、健常者と同等レベルの操作ができる段階に近づいており、プロジェクトチームは、「健常者と同様に文字を入力したり、メールを送信したり、ゲームをすることができる」としています。

 このBMIシステムは、将来的に登録・認可の取得がされれば、‌完全脊髄損傷や両上腕切断、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの患者に対し、BMI技術を通して外部機器を捜査することで運動機能を補完し、生活の質を向上させることが期待されています。

 次の段階として、プロジェクトチームは、被験者にロボットアームを使用し、実際の生活の中で物を握ったり、コップをつかんだり‌といった動作ができるかどうかも試みる予定で、より広い生活範囲での応用を目指すということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News