F1カナダGPスチュワードが停職、FIA批判派の不安高まる
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【6月15日 AFP】国際自動車連盟(FIA)は14日、元フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)ドライバーのデレック・ワーウィック氏を、F1カナダGPのレーススチュワードの職から解いたことを発表した。これにより、FIAのモハメド・ビン・スレイエム会長の組織運営に批判的な者たちの間で、改めて不安が高まっている。
FIAは、同日のフリー走行3回目と予選の前に英国人のワーウィック氏を停職処分とし、ブラジル出身の元ドライバーであるエンリケ・ベルノルディ氏を起用すると発表した。
理由は「メディアに対する無許可の発言」だという。問題視されたのは、カナダGP前のインタビューでの発言で、本人は不適切だったことを認めて謝罪したが、パドックでは同氏が理不尽な扱いを受けたと感じている者も多いようだった。ワーウィック氏は次戦のオーストリアGPからスチュワードに復帰する。
ワーウィック氏はルマン24時間耐久レースの優勝経験者で、英国レーシングドライバーズクラブの元会長でもあり、モータースポーツ界で特に一目置かれている重鎮の一人。
FIAはワーウィック氏を停職にする前日の13日、今年行われる会長選挙への出馬申請期限を前倒しするなど、物議を醸す規則変更を行っており、組織の透明性と説明責任を低下させるという批判が出ている。現時点で、63歳のスレイエム会長の対抗馬として、出馬を宣言した人物はまだ1人もいない。(c)AFP