ニカラグアに平和もたらしたビオレタ・チャモロ元大統領死去 95歳
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【6月15日 AFP】内戦が長らく続いたニカラグアに平和をもたらし、南北米大陸で女性として初の大統領に選ばれ、1990年から1997年まで同国を率いたビオレタ・チャモロ氏が14日、死去した。95歳。家族が公表した。
4人の子どもは声明で、「子どもたちの愛に囲まれ、安らかに亡くなった」としている。
チャモロ氏は大統領として、1980年代に激化した内戦を終結に導いた。この内戦は、当時の東西冷戦の代理戦争となり、米国が支援する反政府武装勢力「コントラ」が左派サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)の政権と戦った。
米国の支援を受けた右派のアナスタシオ・ソモサ政権を打倒した1979年のサンディニスタ革命後、チャモロ氏はニカラグアの民主化を主導。
1990年の大統領選では、野党国民連合のチャモロ氏が、FSLNの指導者で象徴的な存在のダニエル・オルテガ氏に勝利した。オルテガ氏は現在、再び大統領を務めている。
チャモロ氏は2023年からコスタリカに移住。子ども3人は、オルテガ氏に反対して同国に亡命している。
チャモロ氏は数十年間、公の場から遠ざかり、晩年にはアルツハイマー病を患っていた。
「チャモロ氏の遺産は疑いようがない」と、米国に亡命しているニカラグアの学者で政治活動家のフェリックス・マダリアガ氏は指摘。
「戦争から平和に移行させ、内戦で破壊された国を癒やした。オルテガ氏とは極めて対照的だ」と話した。(c)AFP