【6月14日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長は、AFPとのインタビューで、14日に米国で開幕するクラブW杯がサッカー界にとってW杯第1回大会に匹敵する歴史的な「新時代」の幕開けになるとの考えを示した。一方で今大会のチケット販売に関するFIFAの戦略を批判する人々にも言及し、大会の必要性を疑問視していた懐疑論者もすぐに考えを改めるだろうと語った。

今大会は全大陸から計32のクラブが参加し、フロリダ州マイアミのハードロック・スタジアムで行われるインテル・マイアミ(米国)対アル・アハリ(エジプト)戦で幕を開ける。

インファンティーノ会長は、「これはサッカーの新時代、クラブサッカーの新時代の始まりだ。それは、1930年に最初のW杯が始まったときのようだ」とし、「今日では誰もが1回目のW杯について話している。それこそ、このW杯が歴史的である理由だ」と述べた。

一方で、この大会が日程の過密化を招いているという懸念を一蹴しつつ、一部ファンが大会の価値にまだ確信を持っていないこと認めている。だたし、その傾向もすぐに変化するだろうと考えており、「私は信じているし、確信している。ボールが転がり始めた途端、全世界がここで何が起こっているのか理解するだろう。それは特別なものだ」と語った。

一部チケットの売れ行きが低調であるとの報道は、需要に応じて価格が上下する販売システムで米国では一般的になりつつある「ダイナミックプライシング」を採用した、FIFAのチケット戦略への批判を招いた。

しかし、インファンティーノ会長は、この販売方法やマイアミの学生への大幅な割引を擁護し、「私は総じてポジティブな人間だが、人は価格が高すぎるとFIFAを批判し、価格が低すぎてもFIFAを批判する」と述べた。さらに、「それと、学生を対象にしたチケット宣伝を行ってもFIFAを批判する。学生だ! 私の学生時代はお金がなかった。そのときFIFAが私に『W杯の試合を見に来たいか?』と言ってくれたら、FIFAを大いに気に入っていただろう」「空席のスタジアムは見たくない。スタジアムはかなり満員になるはずだ」と主張した。

クラブW杯の試合が行われるロサンゼルス近郊では現在、移民政策をめぐる議論が巻き起こっている。一部ではデモ隊と移民局職員との間で暴力的な衝突が発生しており、大会はこうした問題も抱えている。

「私やわれわれにとって安全は最優先事項だ。ロサンゼルスで何かが起きている場合、われわれは状況を注視して当局と常に連絡を取り合い、ファンが安全な環境で試合を観戦できるようにしたい」と述べた。(c)AFP/Simon EVANS