【6月14日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン大統領はデンマーク自治領グリーンランドの「収奪」を防ぐため、15日に同島を訪問する予定だ。ドナルド・トランプ米大統領がグリーンランドを買収すると脅して以来、外国首脳によるこのような訪問は初めて。

​​マクロン氏は訪問を数日後に控え、「『われわれはここにいる。収奪が行われないよう再投資する用意がある』と言うつもりだ」と述べた。

トランプ氏は、戦略的に重要な位置にあり、資源が豊富なグリーンランドについて、米国は安全保障上の理由から必要としている繰り返し述べており、同島を確保するために武力を行使する可能性も排除していない。

グリーンランドでは、長期的には独立を支持する人が大多数を占めており、デンマークとグリーンランドの指導部は、グリーンランドの将来は住民たちが自ら決定すべきだと主張し、米国が「グリーンランドを手に入れることは決してない」と繰り返し述べている。

マクロン氏は9日、国連海洋会議で、深海、グリーンランド、そして南極大陸は「売り物ではない」と述べた。明らかにトランプ氏の拡張主義的な主張に向けた発言だった。

J・D・バンス米副大統領も3月にグリーンランドを訪問したが、これはグリーンランド自治政府とデンマーク政府の双方に挑発行為と受け止められた。

だが、マクロン氏はグリーンランド自治政府のイェンスフレデリック・ニールセン首相とデンマークのメッテ・フレデリクセン首相の招待を受けて訪問する。

フランス大統領府はマクロン氏のグリーンランド訪問について、「デンマークとグリーンランド当局の要請に基づくものであり、それ自体がメッセージとなる」と説明。マクロン氏は「欧州の連帯と、グリーンランドの主権と領土保全への支持」というメッセージを携えて行くと付け加えた。(c)AFP