【6月14日 AFP】子どもを手なずけて性加害・搾取を行った「グルーミング・ギャング」スキャンダルをめぐる最新の陪審裁判で、英マンチェスターの裁判所の陪審は13日、南アジア系の男7人にレイプの罪で有罪評決を言い渡した。評議では、被害者の少女2人が「汚いアパートの臭いマットレスの上で、一日に何人もの男と」性行為を強要されたと証言した。

7人は、モハメド・ザヒド被告(64)、ムシュタク・アハメド被告(67)、カシル・バシル被告(50)、モハメド・シャザド被告(44)、ナヒーム・アクラム被告(48)、ロヒーズ・カーン被告(39)、ニサール・フセイン被告(41)。

量刑は後日言い渡されるが、ジョナサン・シーリー判事は、「長期の拘禁刑」を科す可能性があると警告した。

公判開始前に逃亡したバシル被告を除く全員が勾留されている。

7人は、マンチェスター近郊の町ロッチデールでの児童性的搾取スキャンダルをめぐり、グレーター・マンチェスター警察が2015年に開始した捜査「リットン作戦」の一環として起訴された。

この問題は、悪名高いインフルエンサー、トミー・ロビンソン氏ら、英国の極右勢力に長年取り上げられてきたが、保守党やナイジェル・ファラージ党首率いる極右政党「リフォームUK」のスローガンとして取り上げられている。

児童性的搾取スキャンダルは今年、英政府が国を挙げての捜査の要請を拒否したことを受け、米実業家イーロン・マスク氏がX(旧ツイッター)で英政府を激しく非難したことで、世界的な注目を集めた。

このスキャンダルでは、イングランド各地で数十年にわたり、主に南アジア系の男たちが数千人の少女を性的に虐待した疑いをかけられている。被害者は主に労働者階級出身の白人少女で、家庭に問題を抱えている子どもが多かった。

ロッサノ・スカマルデッラ検事は評議で、男たちは2001~2006年、少女2人が13歳だった時から性的に虐待していたと主張。「少女らは汚いアパートの臭いマットレスの上で、一日に何人もの男との性行為を強要されることもしばしばあった」と続けた。

「車の中や駐車場、路地、使われていない倉庫などでも性行為を求められた。男たちが求める場所ならいつでもどこでもだ」「少女たちは性行為のために順に回され、虐待され、辱められ、その後、捨てられた」と訴えた。

また、少女の1人については、今回起訴されていない「他の多くのアジア系の男にも搾取・虐待されていた」と指摘した。

評決言い渡しの後、グレーター・マンチェスター警察のアラン・クリザロー警視は、もっと早く行動を起こさなかったことを謝罪。

「当時、警察や他の機関が何らかの対応をとることができた、そうすべきだったという情報があったが、私たちはそれを怠った」「当時の被害者への対応は弁解の余地がなく、許し難いものだ。私たちはこの件について全面的に謝罪した」と述べた。(c)AFP