【6月14日 AFP】仏パリ西郊ナンテールの少年裁判所は13日、2024年に仏パリ郊外で12歳のユダヤ人少女を集団レイプしたとして起訴された少年3人のうち2人について、それぞれ拘禁9年と7年の判決を言い渡した。反ユダヤ主義的な攻撃が増加する中、この事件はフランスのユダヤ人社会に衝撃を与えた。

裁判長は、犯行当時13歳だった2人の少年に対する厳しい判決の理由として、彼らの「厄介な」性格、引き起こした「甚大な社会的混乱」、そして被害者の宗教的な帰属を理由として犯行に及んだ点を挙げた。

裁判長は、「少女がユダヤ人でなかったら、間違いなくレイプされることはなかった」と述べた。

少女の元交際相手で、当時12歳だった3人目の少年は、共犯として有罪判決を受けたが、年齢を理由に拘禁刑は免れ、保護観察処分5年を言い渡された。

警察筋によると、少女は2024年6月15日、パリ北西郊のクルブボアの自宅近くの公園で、3人の少年に声を掛けられた。

少年たちは少女を小屋に連れ込み、殺すぞと脅したり、反ユダヤ主義的な発言をしたりしながら、殴打して性行為を「強要」した。

少年たちは少女を「汚いユダヤ人」と呼び、「少女が信仰するユダヤ教」やイスラエルについて質問したという。

少年の1人はその場面を撮影し、もう1人は通報すれば殺すと少女を脅した。

事件はフランスのユダヤ人社会に衝撃を与え、政治家たちも異口同音に事件を非難した。

当時、エマニュエル・マクロン大統領は反ユダヤ主義という「災厄」を非難した。(c)AFP