【6月19日 Peopleʼs Daily】インドネシアでは、ジャカルタ・バンドン高速鉄道が山岳地帯を貫き、地域の発展に新たな原動力をもたらしている。エジプトでは、掘削技術により地下水脈を掘り当て、砂漠を灌漑し広大な農地を創出している。タンザニアでは、「小さな豆から大きな栄養プロジェクト」が生産性向上と収入の増大を促進しているなど、中国はイノベーションの優位性と先端技術を活用して、各国の発展をサポートし、世界の持続可能な発展に力を添えている。

 現在、新たな科学技術革命と産業変革が深く進展し、技術イノベーションは前例がないほど活発化している。人工知能(AI)、量子、バイオなど最先端の技術が次々に登場している。 

 中国が科学技術イノベーションから生産力を引き出し、技術がもたらす可能性を最大限に発揮し、新たな科学技術革命を自国の経済の強力な原動力とすることは、同時に世界各国の共通の願いでもある。

 しかし一方で、一部の国に見られる「脱鉤断鎖(関係を断ち切る)」「小院高塀(高い塀で家を囲う)」という傾向がますます深刻化し、各国の科学技術の格差が拡大し、発展の格差が拡大するリスクが増大している。

 科学技術イノベーションの成果を封鎖して独占するのか、あるいはより多くの国と人びとが利用し、享受し、活用できるようにするのか、この二つの理念の衝突は、世界の現代化の進展のプロセスに大きな影響を及ぼす問題である。

 科学技術の開放と各国の協力を通じて人類に利益をもたらし、互恵ウィンウィンの開放戦略を堅持し、グローバルな課題に対応し、人類の発展と進歩に貢献する中国の知恵と力は、中国が新時代における科学技術事業の発展の実践の中で蓄積した重要な経験であり、中国が「賦能型大国(相手にパワーを与えるタイプの大国)」として果たすべき責任である。

 中国は科学技術大国であり、すでにグローバルな科学技術イノベーションの重要な一極となり、高水準の科学技術の自立強化を推進し、科学技術強国への道を歩んでいる。中国が科学技術イノベーションを推進し、科学技術強国を建設する目的は、いわゆる「グローバルな科学技術の主導権」を争うためではなく、成果を独占するものでもない。科学技術イノベーションを中国式現代化を支える基盤とし、人類の福祉を向上させ、グローバルな発展を促進するためなのである。

「嫦娥6号(Chang'e-6)」は人類史上初の月の裏側のサンプル採取に成功し、複数の核心的技術にブレークスルーを起こした。世界はこれに驚嘆する一方、この探査機が「中国の嫦娥であるが、人類全体の嫦娥でもある」として喜びを表した。

「嫦娥6号」には各国の試験装置が搭載され、科学技術の国際協力の大きな舞台を世界に提供した。

 中国は積極的にスマート変革を取り入れ、人工知能(AI)による自国のイノベーション的な発展を推進すると同時に、世界的なAIの普及と発展を推し進め、開発途上国の発展能力の向上を支援している。

 AI技術のオープンソース化を提唱し、AIサービスのアクセス性を向上させ、スマート技術の恩恵を各国が共有できるようにしている。

高性能で無料のオープンソースAIビッグモデル「深度求索(DeepSeek)」が中国で誕生したのは、決して偶然ではなく、中国が科学技術を開放し、人類の福祉向上に貢献するという姿勢の必然的な結果なのだ。

 中国がイノベーションで世界の現代化を推し進めようとする深層的な論理は、平和と共生の文明の遺伝子を、科学技術の発展と融合させることにある。

 他の開発途上国との人工衛星の共同開発から500メートル球面電波望遠鏡「中国天眼」の全世界に向けての観測申請の開放まで、また118件の政府間科学技術協力協定の締結から人工知能(AI)の発展を人類共通の福祉の向上のためとする目標の提唱まで、さらには「一帯一路(Belt and Road)」イノベーション行動計画を実施することから「中国・アフリカデジタル技術協力センター」を共同建設し20のデジタルモデルプロジェクトを実施することまで、中国は常に自国の発展を全人類の発展の座標の中に置き、「イノベーション共同体」という考え方で「科学技術覇権主義」の誤った思想を打破し、世界各国と協力して開放、公平、公正、非差別的な国際科学技術発展環境を構築している。

 このような「科学技術の頂点を追求しつつ、普遍的な共有を堅持する」という中国の発展の理念は、より多くの国が科学技術の発展の広大な空間の中でそれぞれの探求を深く掘り下げることができるように鼓舞し、各国の科学技術イノベーションへのアクセス性を促進するものである。

 中国は科学技術イノベーションで新しい質の生産力の発展をリードすると同時に、開放的な国際協力で科学技術の進歩を促し、イノベーションの成果を共有することを通じて、世界の共同発展を推進する道を堅実に歩み、世界の持続可能な発展と現代化に力を注ぎ込んでいる。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews