【6月14日 Peopleʼs Daily】ペルーのチェンカイ港は、昨年11月の開港から今年1月末までに、累計1万5000個を超えるコンテナと11万2000トンのばら積み貨物を搬出入した。貨物の中には現地特産のブルーベリー、パーム油、コーンなどが含まれ、早くも国際貿易の注目の港となっている。

 チェンカイ港は、経済グローバル化の版図の中の「重要な座標としてのペルー」という役割を改めて構築した。これは中国が質の高い「一帯一路(Belt and Road)」の共同建設を通じてパートナー国の発展を支援するという取り組みの縮図とも言える事例だ。

 歴史上、一部の大国は近代化を「収奪型」の拡張主義で実現してきた。これらの国の発展は他の国の発展を犠牲にし、多くの開発途上国の人びとに深刻な苦難をもたらした。

 中国は、共に生きる「共生」で「ゼロサム」関係を解消し、共に分かち合う「共有」で「支配」に替えるという原則を堅持し、自国の発展を通じて他国の発展を支援し「中国式現代化」を通じて世界の現代化を促進する「能力付与型大国」として称賛されている。

 オーストラリアの学者・鮑韶山(Bao Shaoshan)氏は「中国は『賦能者』(相手にパワーを与える者)であり、自国の均衡のとれた発展を追求する一方、国際貿易、資本輸出、技術移転を通じて全世界の一体化を促進し、数十年にわたる世界の発展の不均衡問題の解決に努めている」と指摘している。

「賦能(パワー付与)」の道は、継続的な貢献と活力の注入にあり、世界経済の発展の基盤を固めることにある。中国の昨年の国内総生産(GDP)は5%成長し、総経済規模は130兆元(約2581兆8000億円)を突破した。中国の世界経済成長への貢献率は約30%で、世界経済成長の主要なエンジンとなっている。

「30%の貢献率」をさらに観察すると、開放型世界経済に新たな活力を注ぐ源泉、ウィンウィン協力を通じたイノベーション促進の積極的な実践、グリーン・ローカーボン転換を推進する鍵となる原動力が見て取れる。

 昨年、中国の貨物貿易の輸出入総額は43兆8500億元(約870兆8610億円)に達し、150を超える国と地域とが主要な貿易パートナーとなった。

 中国の研究開発投資総額は世界第2位を維持し、中国の科学技術イノベーションの成果は国内だけでなく世界にも恩恵をもたらしている。

 グリーン貿易は中国の外国貿易の大きな注目点となっている。風力発電ユニットの輸出は70%以上増加し、太陽光発電製品は4年連続で輸出額2000億元(約3兆9720億円)を超え、リチウムイオン電池の輸出は過去最高を記録した。

「賦能の道」は、内外の連携を強化し、発展チャンスを共有して、共同繁栄を促進することにある。中国は、世界各国の企業の成長の拠点、イノベーションの実験室という役割を、日々拡大している。米国EV車大手メーカー・テスラ(Tesla)の上海の「エネルギー貯蔵スーパー工場」が正式に生産を開始した。ドイツ自動車大手BMWグループの瀋陽市(Shengyang)の「里達工場」で新車種の量産が開始された。シーメンス医療(Siemens Healthineers)が深セン市(Shenzhen)に全く新しい生産基地の建設を開始した。トヨタ自動車(Toyota Motar)傘下の高級ブランド・レクサス(Lexus)が上海金山に単独資本の新工場を建設する。

 このように相次ぐプロジェクトのスタートは、新時代の中国が広大な市場機会と発展機会を有しているという事実を、改めて立証している。

 より質の高い「海外進出」で、中国の発展の恩恵が海外に波及し続けている。昨年、中国企業の非金融分野への対外直接投資は1438億5000万ドル(約20兆5116億円)に達し、前年比10.5%増加した。

 中国家電大手「海爾(ハイアール、Haier)集団」はタイに新たなエアコン生産基地を建設し、生産量の約85%を輸出に充てる計画だ。「寧徳時代新能源科技(Contemporary Amperex Technology)」のハンガリーのバッテリー工場が現地の産業クラスターの形成を牽引し、欧州の新エネルギー産業の地図を再編成している。

 アフリカの工場で技術者を育成し、ラテンアメリカの産業団地で現地企業を育成する。優勢な中国産業が各国の工業化と現代化を加速させている。

「賦能の道」は、科学的な理念で時代の変化をリードし、難題に対応しながら全世界の発展の新しい枠組みを形作ることにある。

 現在、経済のグローバル化は逆風に見舞われ、世界の発展は新たな分岐点に立たされている。行く手を遮る霧を晴らし、長期的な発展の理念を策定することは、各国が共に前進するための緊急の課題である。

 中国の理念である「賦能」の効果はますます顕著になっている。多様な発展の道を常に提唱し、「単一方向」の迷信を打破し続けている。

「アフリカが中国から学んだ最も重要な教訓は、国情に合った発展の論理を選択することであり、外部から与えられた公式ではない」、アフリカの学者たちは感慨を込めてこう述べている。

 常に人民を中心に据え「現代化の道において、一人も取り残さない、一国たりとも脱落させない」と提唱する中国は「経済理論の更新だけでなく、文明のステージのレベルアップだ」と称賛されている。

 常にウィンウィンの相互協力と正義と平和を追求し「今の時代において各国の発展は、排他的な競争ではなく、共生的な成長にある」ということを、ますます多くの人びとに認識させている。

「治国理政(国家の統治と政治運営)」の経験交流を常に推進し、「政府の役割と市場機能の相互補完」「貧困支援は、まず貧困脱却の志を育てることから」「魚を与えるよりも、釣り方を教えることが有益」など、マクロ的な理論とミクロ的な実践経験が次々と世界へ広がり、各国の発展を阻害する問題の解決のための「工具箱」が充実し続けている。

 開放を堅持し、共有を尊び、各国と共に歩む中国が、世界に提供しているのは、ウィンウィンの発展であり、希望と自信である。中国は、確固たる「賦能型大国」として、世界の現代化にパワーを提供し続けている。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews