【6月13日 AFP】中米パナマのホセ・ラウル・ムリノ大統領は12日、米国に対し、中国との「地政学的紛争」にパナマを巻き込まないよう求めた。

この要請は、在パナマ米国大使館が、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)製の基地局設備を「安全な米国技術」に交換するプロジェクトを発表したのを受けたもの。

米大使館は11日の声明で、ドナルド・トランプ大統領のリーダーシップの下、「米国は自国が位置する西半球において、中国の悪意ある影響力に対抗し、南北米大陸をより強固で安全なものにすべく取り組んでいる」と述べた。

右派のムリノ氏は週例記者会見で、米大使館に対し「パナマを中国と米国の間の地政学的紛争に引きずり込む」試みを控えるよう警告。

「ワシントンや北京で問題に対処させるのは構わないが、パナマの裏庭でさせるべきではない」と続けた。

ここ数か月、パナマと米国の間では緊張が高まっており、特にトランプ氏がパナマ運河を「奪還する」と脅迫したことが大きな要因となっている。トランプ氏は、パナマ運河が中国の影響下にあると主張している。

パナマのフランク・アブレゴ治安相は、今回の論争の中心となっている通信プロジェクトは、約10年にわたって進められてきたと述べた。

パナマは2017年、自国の資金で東部ダリエン州に複数の基地局を設置した。

アブレゴ氏によると、米国は後にこのプロジェクトへの資金提供を申し出たが、設備が米国の軍事安全保障上の要件を満たしていないとして、プロジェクトの修正を求めてきたという。(c)AFP