「世界のスーパー」の新たな国際貿易改革・中国
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【6月17日 Peopleʼs Daily】浙江省(Zhejiang)義烏市(Yiwu)の様々な雑貨小物を取り扱う「小商品城」は、大勢の人たちが往来し、活気に満ちてあふれている。
「義烏市金尚日用百貨商行」の店主・張施丹(Zhang Shidan)さんは、中東の顧客から注文された子供用ストローカップの準備に追われている。市場からの反響が良好だったので、追加注文が入ったのだ。
張さんは「今は市場の変化がとても速い。企業は毎月1つ2つのオリジナル製品を発売し、年間の新製品は1000種類を超える。また、顧客の現地市場の特徴に合わせた製品開発も行っている」と話す。
ロンドンから来たバイヤーのクリス(Chris)さんは、義烏で10年間買い付けを続けている。彼は「毎年100コンテナ以上の商品を買い付けに来ている。ジュエリーから金属製品まで幅広い商品を買う。今回は多くの新製品を見ることができたので、大量に買い付けする予定だ」と興奮気味に語った。
義烏市は「世界のスーパー」とも称され、世界中から210万種類以上の商品が集まり、210万の中小ミクロ企業の発展を牽引し、230を超える国や地域と貿易関係を築いている。毎年60万人近い外国人商人が義烏を訪れ、義烏に拠点を置く外国人商人は2万8000人、オンラインでは68を超えるEコマースなどの新業態の事業者が活動している。
昨年末、国務院は『浙江省義烏市の国際貿易総合改革の深化に関する全体プラン』(以下『全体プラン』と略称)を批准した。これには、市場調達貿易改革の深化、内外貿易の一体化改革の加速、現代的な商貿物流体系の整備、生産に必要な資源の取引市場の制度とルールの整備、一流のビジネス環境の構築など5つの分野における97項目の具体的な改革措置が盛り込まれている。義烏が制度的な開放で新たな道を拓き、「世界から買い、世界へ売る」という双方向の展開を推進することを目指している。
この総合改革には次のような多くの注目すべき点がある。
■輸入貿易のイノベ―ション発展を推進:
『全体プラン』は、安全管理を前提に、条件を満たす輸入消費財に対して「ポジティブリスト管理制度」を導入し、リストに載った商品の通関手続きを簡便化すると明記している。
中国国際経済交流センターの張永軍(Zhang Yongjun)秘書長は「輸出貿易で形成された物流施設ネットワークや情報ネットワークを活用し、消費財の輸入ルートを拡大し、輸入品種の多様化を図るという点において、義烏には先天的な優位性がある。例えば、義烏は毎年数十万人の外国人バイヤーを受け入れており、彼らは自国の優位性のある製品や特色ある製品を中国に持ち込む仲介業者の機能を果たすことができる」と説明した。
■市場調達型貿易の改革の深化:
『全体プラン』は、市場調達型貿易における「貨物集荷業者制度(組貨人制度)」を導入し、その役割を正式に貿易認定制度に組み込むことを明確にした。市場調達(マーケットバイイング)の日常監視、集荷管理、港湾の輸出申告手続きの管理を最適化する。
「雑貨小物商品デジタル貿易総合サービスプラットフォーム」を活用し、取引、物流、支払い、融資など貿易サプライチェーンの全工程におけるデジタル化転換を全面的に推進する。
■安全で管理可能な海外サービスネットワークの構築:
『全体プラン』は、経営主体が独立型Eコマースサイトやオンラインサービスプラットフォームなど新たな商業インフラを整備し、デジタルマーケティング、ラストマイル配送、アフターサービスなどを含む海外運営ネットワークの統合を推進することを奨励している。
市場調達・集荷と船舶予約などの海運サービス資源を統合し、「ドアツードア」「倉庫ツー倉庫」の国際専用路線を発展させる。
現代の世界では、サプライチェーンの安定と安全はグローバル経済の重要な課題となっている。浙江大学(Zhejiang University)経済学院国際経済学部の陸菁(Lu Jin)主任は、義烏の改革がグローバルサプライチェーンの再編に新たな解決策を提供していると指摘する。
中国はより効率的な雑貨小物のグローバル集散物流ネットワークの構築を積極的に推進しており、中国と欧州を結ぶ貨物列車「中欧班列」や「空輸・海運・鉄道の複合輸送」などにより、貿易コストを削減し、雑貨小物のグローバルサプライチェーンの安定性を向上させる方針だ。
輸入玩具の認証の所要時間を20日から5日に短縮したことから、初のブランド海外進出の集合店を立ち上げ、開店5時間で受注額1億2000万元(約24億240万円)に達したことまで、また、越境Eコマース産業園が正式に開園し、1日の物流伝票処理件数が1000万件以上に達したことから、義烏空港がトランジットビザ免除対象者の出入境ゲートとして指定されたことまで、『全体プラン』が批准されて以降、義烏では一連の改革が先行して実施され、その成果が現れ始めている。
商務部国際貿易経済協力研究院の学術委員会の張建平副主任は「義烏は中国国際貿易の縮図であり、その活発な発展は中国製造業の強大な実力と中国市場の巨大な活力を十分に示している」と指摘する。「ここから出発し、大量の雑貨小物が世界へ輸出され、世界各地の優良商品もここに集まり、再び中国各地へ流れていく。義烏の貿易モデルのイノベーションと発展は、義烏自体の経済成長を促進するだけでなく、中国の他の地域の貿易の発展にも貴重な参考モデルを提供するものだ」、張主任はこのように考えている。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews