【6月13日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は12日、ロサンゼルスのデモ鎮圧のため州兵と海兵隊の派遣を命じた後、同市は「安全で健全」になったと述べた。だが、独裁的な権力掌握だと批判する声も上がっており、裁判所が派遣の合法性を審査する予定となっている。

トランプ氏は、市長が夜間外出禁止令を発令したロサンゼルスで、静かな夜を過ごせたのは軍が到着したおかげだと述べた。

ロサンゼルスには州兵約4000人と、海兵隊員700人が派遣されている。海兵隊は国外での戦闘を想定した精鋭部隊で、国内に派遣されるのは極めて異例。

トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「われわれの偉大な州兵は、海兵隊の助けを少し借りて、ロサンゼルス市警が効果的に任務を遂行できる体制を整えた」と述べ、州兵と海兵隊が派遣されなかったら、「この街は何年も見たことのないような犯罪現場になっていただろう」と付け加えた。

サンフランシスコの連邦裁判所は、州兵と海兵隊の派遣の合憲性をめぐる審理を行う予定となっている。

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、トランプ氏が「恐怖とテロをあおっている」と非難。トランプ大統領が米国の民主主義に「破壊の鉄球」を向けていると主張し、国民に「屈服しない」よう呼び掛けた。"

トランプ氏は同日、2028年大統領選の民主党候補の一人と目されているニューサム氏を「事態をまったく収拾できていない」と批判。「救われた」ことに感謝すべきだと主張した。(c)AFP