■おおむね平和的なデモとの溝

トランプ氏が、ロサンゼルスは火の手が上がり、この世の終わりのような状態にあるとのイメージを打ち出しているのに対し、広大で多様性に富む同市では、ダウンタウンの一部地区のみで抗議活動がおおむね平和的に行われている現実との溝を指摘する声もある。

深夜トーク番組の司会者でコメディアンのジミー・キンメルさんは、「この世の終わりなんてとんでもない。今まさにディズニーとピクサーの映画『星つなぎのエリオ』のプレミア上映が行われているんだが、エイリアンの映画だ。トランプには言わないでくれ。グリーンベレー(米陸軍特殊部隊)まで送り込んでくるかもしれないから」と皮肉った。

グラミー賞とアカデミー賞を受賞したミュージシャンでプロデューサーのフィニアスさんは、ロサンゼルス出身で、妹ビリー・アイリッシュさんとの楽曲制作でも知られる。

抗議活動で高圧的な警察の対応に巻き込まれたとし、「ダウンタウンでとても平和な抗議デモが行われていた際に、(警察は)問答無用で催涙ガスを使用していた。扇動しているのは彼らだ」とインスタグラムに投稿している。

ドラマ「デスパレートな妻たち」の俳優エヴァ・ロンゴリアさんは、家宅捜索は「非米国的」だと非難。

「本当に非人道的で、見るのがつらく、遠くから目にするのもつらい」とインスタグラムに書き込んでいる。

また、抗議デモが起きているのは、「長年、私たちのコミュニティーの一員として暮らし、法を順守し、納税している移民に対する適正な手続きが欠けているため」との見方を示している。(c)AFP