韓国軍、1年ぶり対北朝鮮拡声器放送中止…李在明大統領「南北信頼回復」公約の一環
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【06月12日 KOREA WAVE】韓国政府は11日、北朝鮮に向けた拡声器放送を再開してから1年ぶりに中止した。これは、脱北者団体などに対する対北朝鮮ビラの散布中止要請に続く措置であり、イ・ジェミョン(李在明)大統領の就任からわずか1週間で実施された2番目の対北朝鮮政策だ。
韓国国防省や合同参謀本部によると、軍は同日午後から前方地域に設置された対北拡声器の放送を全面的に中止した。国防省関係者は「南北関係の信頼回復と朝鮮半島の平和に向けた国民への公約を履行するための措置だ」と説明し、この判断がイ・ジェミョン大統領の選挙公約に基づくものであることを明言した。
今回の措置は、統一省が9日に民間団体に対して対北ビラの散布中止を公式に要請してからわずか2日後に実施された。朝鮮半島の緊張緩和を公約に掲げてきたイ・ジェミョン大統領は、政権発足直後から対北政策の転換に積極的に動いている。
対北拡声器放送は、2023年6月に当時のユン・ソンニョル(尹錫悦)政権が北朝鮮による「汚物風船」の散布に対応する形で、6年ぶりに再開されたものだった。当時、2018年の南北9・19軍事合意に基づき撤去された最前線24カ所の拡声器を再び設置し、北朝鮮に向けた心理戦が再開された。
しかし、北朝鮮側も挑発を強め、2023年11月には韓国政府が北朝鮮の軍事偵察衛星発射に対抗して9・19軍事合意の一部条項の効力停止を宣言。翌日には北朝鮮も合意破棄を表明した。
2024年5月28日以降、北朝鮮は韓国によるビラ散布に対抗し、たばこの吸い殻や汚物などのごみを詰めた大型風船を飛ばし始めた。10月中旬までに合計26回にわたり、約6220個もの「汚物風船」を飛ばしたとされる。
これに対し、韓国政府は2024年6月4日、9・19軍事合意の全面的な効力停止を宣言。さらに6月9日には国家安全保障会議(NSC)を緊急開催し、対北拡声器放送の再開を決定した。北朝鮮もこれに呼応して対韓放送を開始し、以後1年以上にわたって南北間で「拡声器戦」が展開されてきた。
今回の韓国側による放送中止に対し、北朝鮮側の反応や対韓放送の中止の有無は、現時点では確認されていない。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News