【6月11日 AFP】米ニューヨーク市やアトランタ近郊の都市で10日、ドナルド・トランプ大統領の移民政策に反対する抗議デモが行われた。米国では、移民税関捜査局(ICE)による一連の取り締まりに抗議する動きが各地に広がっている。

ニューヨーク市では数千人が集まり、デモの参加者らが「憎しみも恐れもいらない。移民はここで歓迎される」と声を上げた。参加者らはその後、ロウアー・マンハッタンへと行進し、「ICE、ニューヨークから出て行け」と書かれたプラカードを掲げる人も多く見られた。

「私は、今ここに来られない人々、特に母のためにここにいます」と、デモに参加した女性がAFPの取材に語った。

メキシコ出身で無許可の移民である母親のことを理由に匿名を希望した女性は、「正直、この国は移民抜きには成り立っていない。だから私は彼らのためにここにいるのです」と付け加えた。

ニューヨークでのデモ行進は、ロサンゼルスで起きている抗議デモに比べると平和的に行われた。ロサンゼルスでは、デモ隊と警察の衝突が続いており、トランプ氏は数千人の州兵と約700人の海兵隊を派遣した。

ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は10日、ロサンゼルスのような抗議は「容認できず、われわれの都市では許されない」と述べ、「社会の深刻な分断に直面した際に生じうる事態」に対応できるよう、ニューヨーク市警は準備を整えていると語った。

また、アトランタ近郊のブルックヘブンでも10日、トランプ政権の移民政策に反対する抗議デモが行われた。ブルックヘブンはヒスパニック系住民が多いとされている。

デモ参加者の一人は「私は移民であり有色人種の女性だ。すべての移民が平等に扱われるべきだと心から信じてやまない」と話した。(c)AFP