【6月11日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区での紛争における「イスラエルによる国際人道法違反」をめぐり、英国が「共犯」になる恐れがあると警告する書簡を、英外務省の職員300人以上がデービッド・ラミー外相に送った。BBCが10日、報じた。

BBCによると、5月16日付の書簡は、英国がイスラエルへの武器売却を一部継続していることに疑問を呈していた。

BBCが引用した抜粋によると、書簡には「2024年7月、職員らはイスラエルによる国際人道法違反と、英政府の加担の可能性について懸念を表明した」と記されている。

さらに、「その期間に、イスラエルが国際法を無視しているという現実がより鮮明になった」として、人道支援要員の殺害、国際援助の制限、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でのイスラエル人入植者による暴力行為を例に挙げた。

書簡は、英政府が武器輸出などを通じて「国際規範の侵食」に貢献してきたとも指摘している。

キア・スターマー首相率いる労働党政権は、国際法違反に使用される「リスク」を理由に、2024年9月にイスラエルに対する武器輸出許可350件のうち約30件を停止した。

さらに、ヨルダン川西岸の入植者を制裁対象とし、イスラエルとの自由貿易協定(FTA)交渉を停止した。

だが、イスラエルもアクセスできる運用国共通の在庫プールにF35戦闘機の部品を供給し続けている。

英外務省の報道官はAFPの取材に対し書面で、「本政権は発足当初から、ガザ紛争に関して国際法を厳格に適用してきた」と述べた。

BBCによると、英外務省の最高幹部2人が書簡に対し、署名した者が政策に同意できない場合は「辞職」することもできると回答。「これは名誉ある対応だ」と述べた。

この対応に職員らは衝撃を受けたという。

外務省報道官は、「現政権の政策を実行するのが公務員の仕事だ」「懸念があれば、それを表明できる制度が整っている」と述べた。(c)AFP