動画:飛行機で強制送還のグレタさん「イスラエルに拉致された」
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【6月11日 AFP】スウェーデンの活動家グレタ・トゥンベリさん(22)は10日、船でパレスチナ自治区ガザ地区に人道支援物資を届けようとしてイスラエルに阻止されたことについて、「公海上で拉致され、意に反してイスラエルに連行された」と述べ、イスラエルを批判した。
トゥンベリさんは、イスラエルから強制送還され、経由地である仏パリのシャルル・ドゴール空港に到着した際、「これは、イスラエルが犯している数え切れないほどの人権侵害のリストに追加された、新たな意図的な人権侵害だ」と記者団に述べた。
トゥンベリさんは、自身の経験は「パレスチナ人が経験していることに比べれば取るに足らない」と強調した。
ガザ向けの食料や物資を運んでいた人道支援船「マドリーン」は同日、イスラエル軍に拿捕(だほ)された。乗っていた12人のうち、5人のフランス人活動家がイスラエルを自発的に離れることを拒否したため、当局に身柄を拘束された。
だが、高校生環境活動家として有名になり、環境への影響を懸念して飛行機の利用を避けてきたトゥンベリさんは、イスラエル国営エルアル・イスラエル航空のパリ行きの便でイスラエルを追放された。
「これは真実ではない。真実は、ガザでジェノサイド(集団殺害)が進行しており、意図的な飢餓が引き起こされているということだ」とトゥンベリさん。
国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルを含む複数の人権団体は、イスラエルがガザのパレスチナ人に対してジェノサイドを行っていると非難しているが、イスラエルはこれを強く否定している。
フランス、ドイツ、ブラジル、トルコ、スウェーデン、スペイン、オランダの活動家を乗せたマドリーンは、人道支援物資を届けるとともに、イスラエルの封鎖を破ることを目的としていた。だが、ガザから西へ約185キロの海上で、イスラエルに拿捕された。
トゥンベリさんは拿捕について、「イスラエルがガザへの援助を入れさせないことで組織的に犯している国際法違反と戦争犯罪の継続だ」と主張。
「これは、ガザに再び援助を届け、連帯を示そうというミッションだった。だが、できないことが分かった」と続けた。
さらに、ガザでの出来事に対する各国政府の「沈黙と消極的態度」を非難。
「私たちの政府による日々の裏切りを言葉で言い表すことはできない」と述べた。
トゥンベリさんは「シャワーを浴びたい衝動に駆られている」ことをと認めつつ、活動を継続すると表明。「私たちは止まらない。イスラエルが行っている残虐行為の終結を求めて、毎日努力し続ける」と述べた。(c)AFP