【6月11日 AFP】マルコ・ルビオ米国務長官は、パレスチナ人への暴力を繰り返し扇動したとして非難されているイスラエル極右閣僚2人に対し、英国など5か国が10日に発動した制裁措置を非難した。

ルビオ氏は声明で、「これらの制裁は、停戦の達成、人質全員の奪還、そして(パレスチナ自治区)ガザ地区における戦争終結に向けた米国主導の試みを前進させるものではない」と述べた。

これに先立ち英外務省は、イスラエルのベツァレル・スモトリッチ財務相とイタマル・ベングビール国家治安相の入国を禁止し、英国内の資産を凍結すると発表した。

イスラム組織ハマスとの紛争における行動をめぐり、イスラエルへの国際的な批判が高まる中、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェーも両氏に対し新たな制裁措置を講じた。

これは、5か国と、イスラエルの最も緊密な同盟国である米国との決裂を示すものであり、ルビオ氏はパートナー諸国に対し、「真の敵が誰であるかを忘れてはならない」と述べ、「イスラエルと肩を並べて」ハマスに立ち向かうよう呼び掛けた。

5か国の外相は共同声明で、スモトリッチ氏とベングビール氏は「過激派による暴力と、パレスチナ人に対する深刻な人権侵害を扇動した」「これらの行為は容認できない。だからこそわれわれは今、責任を取らせるため行動を起こした」と述べた。

匿名を条件に語った英政府当局者によると、カナダとオーストラリアも制裁を科したが、ノルウェーとニュージーランドは入国禁止措置のみを科した。

これに対しイスラエルのギドン・サール外相は、制裁は「言語道断だ」と非難した。(c)AFP