菜の花がけん引する「全産業チェーン発展」 中国雲南省曲靖市
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【6月10日 Xinhua News】中国雲南省曲靖市羅平県はここ数年、菜の花を媒体とした「花見経済」を継続的に発展させ、「花畑+(プラス)」の多元的な文化観光プロジェクトを打ち出し、国内だけでなく日本や韓国、スペインなど海外の観光客も同県を訪れるようになっている。
雲南省羅平県村景旅游開発投資の周葉秀(しゅう・ようしゅう)副総経理は、菜の花畑が集中する地域の中心部に位置する雲上花郷風景区に今年の開花期、日本やタイ、シンガポールなどから観光客約20団体、千人余りが訪れたと紹介した。
花見以外に、同県は花畑を利用したマラソン大会やマウンテンバイクレース、民謡公演など20余りのイベントを開催し、観光客に豊富な体験と消費の場を提供している。今年の菜の花シーズンには観光客135万人以上が訪れ、1~3月の観光総収入は20億元(1元=約20円)を超えた。
夏に入り、菜種油などの製品を作るため、広大な花畑で次々と咲き終わった菜の花の収穫が始まった。2024年、同県の菜種生産量は14万6900トンに上り、栽培と加工による総合生産額は約20億元となった。
同県は省内最大の菜種生産地で、菜種油は「菜の花経済」全産業チェーンの一部分に過ぎない。
地元では、菜種と農産物の精密加工産業を深く融合させ、菜種油や蜂蜜などを製造して全国に出荷している。県農業農村局の段苪(だん・ぜい)副局長は「羅平県の養蜂農家は2千戸を超え、年間2千トン余りの蜂蜜を生産している」と紹介。県内の養蜂産業は、天然蜂蜜の生産から農産物加工、市場販売まで整った産業チェーンを形成しており、年間生産額は2億元を超えると述べた。
菜の花観光に菜種油、蜂蜜、各種製品…。同県は「全産業チェーン発展」という方式をてこに、同省東部の小さな県域経済の構造転換と高度化を図り、24年の菜種産業チェーンの総生産額は82億元を超えた。(c)Xinhua News/AFPBB News