【6月10日 Xinhua News】中国北京市郊外の潭柘寺(たんしゃじ)は北京地域で最も早くに建てられた仏教寺院の一つで、西晋の永嘉元年(307年)に創建され1700年以上の歴史を持つ。山門外には計75基の金・元・明・清各時代の歴代高僧の墓塔からなる墓塔群(塔林)が広がっており、その一角にある虎塔は、他の塔とは大きく異なる独特の存在感を放っている。

 この虎塔の由来については、清代の高僧と虎の物語が最も広く知られている。伝説によると、潭柘寺の外の山には虎が住んでおり、しばしば山を下りて家畜を傷つけた。その後、同寺の因亮法師がこれを教化すると、悪を改めて善を行うようになり、肉をやめて精進料理を食べ、毎日因亮法師のそばに伏して、彼の説法を聞いていた。因亮法師が清宣統元年(1909年)に入滅すると、この虎は断食し、毎日泣き続け、五日後に主人に殉じた。寺の僧たちはその誠意に感動し、墓塔を建てたという。この物語は、人と動物の共生や仏教の慈悲深さを象徴しており、地元で長く語り継がれてきた。

 今日でも虎と高僧の物語に引かれ、潭柘寺の虎塔を訪れる参拝者や観光客が後を絶たない。(c)Xinhua News/AFPBB News