紹興黄酒、2500年受け継がれる醸造の伝統 中国浙江省
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【6月10日 Xinhua News】中国発祥の「黄酒」は最古の醸造酒の一つで、ビール、ワインと並び「世界三大古酒」と称されている。中でも浙江省紹興産の黄酒は最も有名で、香り豊かで味に深みがあり、各種微量元素も含む。紹興黄酒の醸造は、春秋時代に越の都が会稽(かいけい=現在の紹興)に置かれた頃から始まったとされ、その歴史は2500年以上に及ぶ。
国家級無形文化遺産「紹興黄酒醸造技術」の省級伝承者、陳宝良(ちん・ほうりょう)さんによると、紹興黄酒は精米した上質のもち米を原料に、紹興旧市街の鑑湖(かんこ)の澄んだ湖水を用い、228の工程を経て数カ月かけて醸造される。特に冬に仕込まれる「冬醸」は、紹興黄酒の中でも高級品とされる。同技術は2006年、第1次国家級無形文化遺産リストに登録された。
紹興黄酒は、地元の人々の人生の節目と深く結びついている。祝祭日では清明酒(4月5日前後の清明節に飲む酒)、端午酒(旧暦5月5日の端午節に飲む酒)、冬至酒(冬至に飲む酒)など、日常生活では新居祝いの酒、感謝の酒、豊作祝いの酒など、さまざまな習慣と飲酒が結びついている。会稽山中華黄酒博物館の楊国軍(よう・こくぐん)館長は「人生の節目に酒は欠かせない。黄酒は通常、常温で飲むが、冬になると地元の人々は温めて飲むことが多く、香りがいっそう引き立ち、体にも優しい」と話す。
紹興市の関係部門の統計によると、24年の紹興黄酒の一定規模(主要事業の年間売上高2千万元、1元=約20円)以上の企業による営業収入は37億2千万元、輸出額は1億3千万元で、主な輸出先は日本や韓国などだった。研究の結果、日本の清酒は中国の黄酒醸造法に起源を持ち、独自の技術を発展させたことが明らかになっている。(c)Xinhua News/AFPBB News