【6月10日 AFP】英国のスリラー小説作家フレデリック・フォーサイス氏が9日、死去した。86歳。著作権エージェントのカーティス・ブラウン氏が公表した。フォーサイス氏は、1971年の「ジャッカルの日」の出版後、たちまち世界的なベストセラー作家となった。

ブラウン氏によると、短い闘病生活の後、自宅で家族に囲まれて亡くなった。

フォーサイス氏は、フランスのシャルル・ド・ゴール大統領(当時)の暗殺を右派の過激派が企てるというストーリーの「ジャッカルの日」を、苦境を経て、わずか35日で執筆したことで知られる。

エドワード・フォックスが暗殺者役を演じた映画版はヒットし、昨年、エディ・レッドメイン主演で動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」でもリメークされた。

「オデッサ・ファイル」(1972年)や「戦争の犬たち」(1974年)など、25冊以上の本を執筆。売り上げ部数は全世界で7500万部を超え、多くの小説が映画化された。

エージェントのジョナサン・ロイド氏はフォーサイス氏について、「英空軍の最年少パイロットの一人として勤務した後、ジャーナリストに転向し、ドイツ語、フランス語、ロシア語の才能を生かし、ビアフラ(ナイジェリア)で外国人特派員として務めた」と説明。

「自分が見たことに衝撃を受け、秘密情報部員としての経験を基に、自身にとっておそらく最も有名な小説でデビュー作の『ジャッカルの日』を書いた」と付け加えた。

「数週間前、彼の人生を描いた感動的なドキュメンタリーの新作を一緒に見たばかりだった。彼が非凡で充実した人生を送ってきたことを改めて思い出させられた」と語っている。(c)AFP