【6月9日 AFP】ボクシング、世界ヘビー級3団体王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)が、ドナルド・トランプ米大統領に向けて、ウクライナの状況を理解するため、自分の家に住んでみてほしいと呼びかけた。

1月に就任したトランプ大統領は、当選の暁にはロシアによるウクライナへの軍事侵攻を「24時間以内に」解決すると宣言したが、今も侵攻は終わっていない。

母国の平和のために尽力しているウシクは、トランプ氏が解決策を見いだすには、ウクライナの窮状をもっとはっきり実感する必要があると考え、大統領に対して、ウクライナの自身の自宅を訪れて被害を自分の目で確かめるよう促している。

「米国のドナルド・トランプ大統領には、ウクライナへ来て私の自宅に1週間住んでみてほしい」と、ウシクは8日付の英BBCスポーツのインタビューで語った。

「たった1週間だ。家を使ってもらって構わない。ウクライナに住んで、毎晩何が起こっているかを見てほしい」「毎晩、家の上を爆弾や飛行機が飛ぶ。爆弾に、ロケット弾。毎晩だ。もうたくさんだ」

トランプ大統領の心が動く可能性については、「分からない。理解してもらえるかもしれないし、そうではないかもしれない」と答えた。

プロ転向後23戦全勝のウシクは、現在は合宿を行い、7月19日に英ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われるIBF王者ダニエル・デュボア(英国)との再戦に備えている。

しかし、戦争のことが常に頭から離れないと明かし、「自分の国がどうなっているのか気にかかる。国民が命を落とし続けているひどい状況だ」「軍人だけでなく、子どもや女性、老人もだ」と語った。(c)AFP